杏奈の日常


「恋愛の相談なら花菜姉さんに頼むのがいいよ。姉さんならきっと力になってくれるはず」


恋愛経験ない私が手伝えることなんて何も無い。


「花菜さんはちょっと、近寄り難いというか、」


あー、まぁ確かに。綺麗だし、おしとやかだし、私も最初はそう思ったりもしたけど、


「話してみるとそうでも無いよ?まぁ無理強いはしないけど。じゃあ、とりあえず聞かせてもらっていい?恋バナしか出来ないけどそれでもいいなら」


「え?」


ん?何その反応は?


「やっぱり相談がいい?アドバイスが欲しいの?」


「いや、話…聞いてくれるの?」


「恋バナでしょ?的確なアドバイスは出来ないけど、話ぐらいは聞くよ?いや、てかむしろ聞かせて!私、恋バナに飢えてるから!」


「ふふ、何それ」


ちょっと待ってこの子原石では?

笑うとビジュ爆発なんだが。

あぁ、原石ってそういうこと。姉さんの言ってたことがやっと分かった。


「ちょっとメガネ外してみてくれない?」


「な、んで」


「いいからいいから」


「え、ちょっ」


半ば無理やり、メガネを外した


「うっわ」


やばい。ダイヤモンドじゃん。美しい。


「眼鏡返してもらってもいいかな」


「あ、ごめんごめん。ところでどうして眼鏡外さないの」


イケメンすぎて女子にモテるの面倒くさいとか?


「メガネかけなかったら何も見えないよ、」

「コンタクトにすればいいのに」


「コンタクトは付けたことないから、怖いんだ、」


何それ可愛い


「眼鏡外した時の顔ちゃんと見た事ある?」

「え?」


「それはもうビジュ爆発してるから」

「ビジュバクハツ…?」


「とにかく、明日からコンタクトにしなよ」

「でも…」


「好きになってもらうチャンスだよ!」


お前…そんな可愛かったっけ的な。

何それ萌えるんだが。


「好きに…」


そういえば好きな人まだ聞いてなかったな。


「あ、じゃあ、まずは好きな人教えてくれる?」


「えっと、隣のクラスの、碧」

「あぁ、あのサッカー部の?」


私は先輩しか興味無いから、顔はよく分からない。


「知ってるの?」

「イケメンだって聞いたことはある」


「はぁ、」


なんか落ち込んじゃったんだけど、私、何かやらかしたか?


「えぇ、なんで、なんかごめん」


「あ、いや、違うんだ。やっぱり人気なんだって思ったら、自信なくなってきて、」


その気持ち私にも分かる。

人気者を好きになるってしんどいよねぇ。

それが人気者を好きになる宿命なんだけどさ、


「まだ、何も初めてないのに自信なくすの早くない?」


私も最近やっと認知してもらえるようになったところ。


「そっか、そうだよね」


こういうのは当たって砕けろだ!


「てか、好きになったきっかけは?クラスも違うし、部活も違うのに接点あったの?」


まぁ、私も人の事言えたもんじゃないけど、


「僕と碧は…」

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