偏食で引きこもりのヴァンパイアを変える、運命の恋。

貿易商社の娘で自分の仕事に誇りを持っているエルシア。父親譲りの確かな商人の腕で多くの信頼を集める彼女だが、それゆえに両親は「淑女としての幸せ」と乖離していく娘の将来を案じていた。
そんなある日、エルシアはストリフォン公爵家が主催するパーティーに参加することに。そこで出会ったのは、引きこもりがちで「伝説のヴァンパイアなのでは」という噂もあるストリフォンン公爵家の秘蔵っ子・カルティオ。
とあるアクシデントから彼の牙をその身に受けたエルシアは、徐々にヴァンパイアという存在に興味を持つようになり、やがて――。


まず、ヒロインであるエルシアの人物像にとても好感が持てます。商家としての矜持があり、相手の身分に媚びへつらうことのない芯の強い女性です。仕事人間とも言えるのでしょうか。生真面目な彼女だからこそ、恋に憧れたりする様子がとても可愛らしいです。

そしてヴァンパイア作品ならではの吸血シーンは、映画のワンシーンのように美しく綴られています。単に扇情的なわけではなく、どこか気品のようなものも感じる。

選び抜かれた言葉や仕草によってしなやかに描かれる血に溺れる純愛を、ぜひご一読あれ!

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