第1章6 情報集結、そして会談へと

〔ユーレイン連邦海軍 元帥兼第2艦隊司令官 森田 三辻 TACネーム: コヤブ コールサイン: モアイ・アクチュアル〕

〈ユーレイン連邦 西海岸中部 首都サガント サガント統合基地 海軍ブロック 海軍司令部 元帥執務室〉

[2130時]

国家移転の騒ぎもとりあえず収まり、目標として今現在の情報収集が決まった今。特にやることもないので俺は海軍ブロックの執務室に戻って書類を片付けていた。

丁度何杯目かのブラックコーヒーを飲み終え、新型巡航ミサイルの開発書類を決裁しそろそろ終わろうとしていた所だった。

「元帥、お客様です。」

ドア越しに秘書がそう言って来た、そろそろ終わりたいんだがなぁ・・・・。

「お通ししてくれ。」

するとガチャリ、とドアが開き陸軍のジョンソン・レッドフィールド元帥が入って来た。

「よう森田、苦労人だな。」

「レッドフィールドか・・・・そっちの仕事は終わったのか?」

「まあな・・・・コーヒーを一杯お願いできるか?」

「ああ、分かった。」

そう俺は言い、席から立ち手早くインスタントコーヒーを作ると俺の席の向かい合わせに置いた。

「適当に座ってくれ。」

「ああ。」

レッドフィールドはそう頷くと俺の向かい合わせの席に座り、コーヒーを啜った。

「んで、何の用だ?」

「今回の不明艦隊に関しての報告書と・・・・・ちょっと聞きたくてなぁ?」

にやけながらそう言うとレッドフィールドはその件の報告書を手渡して来た。

「どれどれ・・・・む・・・・何!!!」

そこには、総合計艦数180隻と記述されていた。

「バトルシップ25隻、クルーザー25隻、デストロイヤー30隻、フリゲート50隻、その他50隻・・・・・・お前さんの弟、何者なにもんだ?」

レッドフィールドがそんなニヤケ顔でそう尋ねて来た。

「はぁ・・・・あいつなぁ・・・。」

俺は反省猿になっていた・・・・・・。


〔ユーレイン連邦軍 作戦参謀長 七瀬・バレンタイン TACネーム: アテナ コールサイン: ヘレン〕

〈サガント統合基地 司令部ブロック 情報集積センター〉

[2200時]

「ある程度分かって来たわね。」

坪田上級参謀官と工藤中佐が貪る様に寝ている中、カップに入ったブラックコーヒーを啜りそう言い目の前のモニターをまじまじと見ていた。

目の前のモニターには、この世界の白地図が表示されており集められた情報がパズルのピースのように集まりつつあり、それらの情報を元に国の場所、町の名などが付け加えられていた。

まあサテライト画像でも出来るのだが、私は個人的にこっちのほうが好みだ。

「作戦参謀長、海軍からの報告が纏まりました。」

「ありがとう。」

するとセンターの係員がそう言って報告書の表示された軍用タブレットを渡して来た。

「どれどれ・・・・・。」

へぇ、あの不明艦隊は正規軍ね・・・・しかも180隻も。

すると刹那、モニターにその不明艦隊に関した情報が加えられた。

「・・・・会談が必要ね。」

再びコーヒーを啜ると、そう呟いた。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


〔ユーレイン連邦 総帥 七瀬・青海 TACネーム: ブルーコバルト〕

〈サガント統合基地 司令部ブロック 総帥執務室〉

私は執務室で仮眠していた所、アテナ・・・・母さんから連絡を受け、執務室で彼女が来るのを待っていた。

「”コンコン” 青海、入るわよ。」

すると母さんがドア越しにそう言って来た。

「どうぞ。」

そう言うとそのロングへアーを後ろに縛りタブレットを持った母さんが入ってきた。

「コーヒー、お願いできる?」

「ええ、ブラック?」

「それでお願い。」

「はいはい。」


[2分後]

「で、大陸に関して何か分かった?」

コーヒーを入れ終え母さんにコップを渡した私はそう聞いた。

「取り敢えず3カ国の情報は集まったわ。」

そう言って彼女はタブレットを見せて来た、

タブレットの画面にはその3カ国に関しての情報が映し出されていた。

「ふむ・・・、取り敢えず了解したわ。

・・・・・そう言えば」

「?」

「あの制圧した海賊船と民間船の乗員は?」

「ああ・・・・全員 フォード島に収容して、一部がまだそちらに向かっている途上だわ。」

「そう、で・・・艦隊の方は?」

「ネオ・ブレスト軍港に向かってるわ。」

「・・・了解したわ、フォード島で会談を行う。母さん、陸海空そして海兵隊の将帥、他の人選宜しくね。」

「了解したわ。」

フォード島で急遽、会談を行うことにした。


〔ユーレイン連邦海軍 STAG 第1中隊 第1小隊長 西都・道春 TACネーム: インターキラー コールサイン: アルファ・アクチュアル〕

〈病院母艦フローレンス所属 レッドクロス隊(ベル MV-22M スーパー・オスプレイ 4機) レッドクロス1-2機内 ―― 海上上空〉

あれからラインに戻った俺達は、余分なお荷物を降ろして俺と他の隊員数人と少女達と共に病院母艦のフローレンスへと向かった。

そこで少々遅めの夕食を済ませ、パラジャンパーズと共にフォード島へと向かった。

「・・・・きっとブルーコバルトが変人になるだろうなぁ、これ。」

「でしょうね。」

副小隊長もそう頷いている、だろうな・・・・。

「あの ―― 。」

すると犬耳少女が俺の腕をツンツン、としてそう言って来た。

「ん?」

「私達を助けてくれてどうもありがとうございました・・・・。」

「あ、ああ。

でもそんな固くならなくても良いぞ。」

「じゃあ・・・・名前の紹介させてください。

私はカナン十二氏が一、深遠しんえんのカナンが長の娘。オリーエ・パザン。」

「オリーエか・・・良い名前だな。」

「ありがとう・・・サイトー様。」

「・・・・・何故俺の名を?」

「うふふ・・・・何故か分かるのです。」

何この子怖い。

「・・・・はぁ。」

「で、この子 ―― 「私の名前はメラニアです。」

するとオリーエが何かを言おうとした所に1人の猫耳少女がそう俺の方に寄って来て、それを拍子に残りの7人がわらわらと集まって来た。

「お姉ちゃん抜駆けはダメだよ!!

メラニアの妹のエレーナ・バスキスです!! 年は15でお姉ちゃんとパーティー組んでました。」

さっきの猫耳少女の次に、顔の似た猫耳少女がそう言い。

「オリビエ・メイソンです、今年で15になりました。趣味は料理でギルドの飲み屋で働いていました。」

普通な少女がそう言い、

「どもー キリレア・ワイエスでーす、年は13で趣味はー本を読むことでーナイフの投擲が得意だったんでー近接職のーハンターをーしてましたー。」

何かとノホホーンとしてるウサ耳少女がそう言い、

「俺の名前はリオラ・サンチェルゼンだぜ!! 今年で18で工業ギルドで働いていたぜ!!」

腕っ節の強そうな犬耳少女がそう言い、

「私ノ名前ハ、ナードリカ・パルサー。今年デ17ニナッテ・・・・トニカク冒険者ヲシテイタ、タスケテクレテアリガトウ。」

肌がまるでトカゲの様にウロコ状になっている縦割れ目のラミア少女がそう言い、

「・・・・ラミリア・メディーです、年は12でこの通り・・・元ハンターでした。」

デカイ目、巨乳で湿るような妖美さを兼ね備えた少女がそう言い、

「カミラ・ヘンデルワースです、年は16才でとにかくナイフが大好きです。祖父上、父上と兄様あにさまが軍人だったので自分も軍人になりたいです。」

そして最後に、セミロングで首と腕の一部が虫の様に甲殻化している少女がそう言った。

「メラニア、エレーナ、キレリア、リオラ、ナードリカ、ラミリアにカミラか・・・・教えてくれてありがとう、いい名前だな。」

「あのー?」

すると、キレリアがそう言って来た。

「ん?どうした。」

「貴方のー名前はー何ですか?」

「ああ、俺か・・・・

俺の名前は西都・道春、ユーレイン連邦海軍の軍人でSTAGという部隊に居る。よろしく、9人共。」

「「「「はい!」」」」「はいー。」「アア。」「「はい・・・・。」」

「そう言えば俺から聞いていいか?」

するとまた犬耳腕白少女ことリオラが聞いてきた。

「あ、ああ。」

「好きな食べ物はなんだぜ?」

「好きな食べ物か・・・・強いて言うならカレーかな。」

「カレー?」

「あの茶色いシチューみたいなものねー、美味しかったーねー。」

「・・・・サイトー様、私からもいいですか?」

何故かオリーエも会話に加わってきた。

「ん? どうしたオリーエ?」

「重婚について・・・・どう・・・思いますか?」

・・・・は?

重婚だと・・・・、ほぼ全員が頬を赤くしてるし・・・・ヤバイ・・・・・

どう答えれば・・・・。

「伊東 ―― 」

「隊長、腹括って下さい。」

副小隊長の伊東いとう三間さんま 少尉にヘルプを求めたが、案の定だった。

「(ちっ)・・・・まぁ・・・あれだ、個人の意見を尊重する・・・・。」

「そうですか!」

「よしっ。」「押せば何とか・・・・。」

誰か・・・・・・助けて。


〔ユーレイン連邦海軍 STAG 第1中隊 第3小隊所属 梶田・元夫差 TACネーム: ケフェウス コールサイン: チャーリー3〕

「ははは・・・・。」

俺は9人の美少女達に取り囲まれたインターキラーを温かい目で見つつ、そう苦笑いをするしかなかった。

「そう言えば、礼を言ってなかった・・・・ありがとう・・・えっと。」

すると欧州風の軍服を着た、俺が助けた内の一人がそう言ってきたので

「小官の名は梶田 元夫差 曹長、海軍STAGに身を置いています。」

そう返した所、

「ヘール・カジタか、私はジャーメルライヒ帝政共和国海軍 第362戦闘群 群司令のナイトハルト・Vヴェー・ミュラー准将です。」

案の定、そんなビックネームが返って来た。

「へ、へぇ・・・・准将閣下ですか・・・・なんか、すみません。」

「いやいやヘール・カジタ、私も敬語が苦手でね・・・・ヘールが気に病む必要は無い。」

「それじゃあミュラー准将と・・・・そう言えば。」

「如何しましたヘール?」

「ヘールってどういう意味ですか?」

「ああ~!! ははは、すまない。これは我々ジャーメルライヒ人独特の言い方でね、人に対する敬称・・・・言うなれば”~さん”という意味だ。」

「そうなのか・・・・ そう言えば、貴方は・・・・。」

准将の横に居る男にそう尋ねた。

「ああ、私か・・・・・私は元アイギナ王国軍臨時編成二百人隊 元隊長だったハミルンコ・ハンニバル。昔は准佐だったが・・・・・今はしがないただの男だ、

助けてくれて本当に感謝しかない、ありがとう。カジタ。」

すると准将が、

「な!!・・・・あの”剣王けんおう”アイアンギウスのアイギナ王国か!?」

「アイギナ王国?」

思わず俺はそう准将に素っ気無く尋ねた。

「ああ・・・・、アイギナ王国はかつて隣国のグルカ王国と共に剣術に優りこの二カ国で剣に勝つ者が居ないと言われていた・・・が、コルリスの”小国潰し”で消えてしまった。」

「・・・・そうでしたか。」

「すまない・・・・ハンニバル准佐。」

「はい。」

「あの”小国潰し”の際、我々も奴らとの小競り合いで救援も出せず・・・・申し訳ない。フリッツ陛下も悔いておられた、そして我々もついに・・・・呑まれてしまった。本当に・・・・・本当に申し訳なかった。」

「・・・・・。」

「・・・・・。」

我々ユーレイン出身者にとってはチグハグで何を言っているか分からないが・・・・空気で何となく察してしまった。その”コルリス”という強大な国があかん事をしているのは分かった。

「ミュラー准将。」

するとハンニバルさんは悄気ている准将の開口一番、

「昔の事より、今でしょう。」

そう言った。


〔ユーレイン連邦空軍 ”パラジャンパーズ” 第1STS 第1STT 班長兼中隊長 ペラース・クリル TACネーム: ホワイトスネーク コールサイン: ナイチンゲール1 ロメオ・アルファ・アクチュアル〕

「本当に貴方達って異世界から来たのね!!?」

私はフローレンスに収容されたエルフ?のエケテリーナさんを連れていた。

「ええ、詳しいことは軍事機密なので話せませんけど。そうなりますね。」

「へぇ~、これとかも魔法で動いてるの?」

「いや、科学技術の一つですね・・・・ていうか魔法ってあるんですね。」

「えっ? 魔法じゃないの?」

〈こちらは機長 ―― 〉


〔ユーレイン連邦海軍 STAG 第1中隊 第1小隊長 西都・道長 TACネーム: インターキラー コールサイン: アルファ・アクチュアル〕

〈こちらは機長の博雅だ、もうすぐ目的地のフォード島に到着する。到着時の気温は23度で無風だ・・・・・もう夏だな。

まあ着陸態勢に入るから少々揺れる、申し訳ない。〉

美少女9人のカオスな押し問答を何とか防いでいた所、機内のインカム越しにそんなパイロットの声が聞こえた。

「そうか・・・・、オリーエ達。」

すると9人の美少女達は引き寄せられる様にこちらを向いた。

「もうすぐ総帥・・・・俺達の国の王様だな、その人を待つ為の場所に着く。

少し揺れるから気を付けろ。」

「王様・・・・? 私達が会ってもいいの?」

思うに心配症なオリーエがそう言い。

「ああ、きっととても喜ばれると思うぞ。」

まあ、総帥あのお方は色んな意味で喜びそうだが・・・・・。

「どんな人なんですか?」

「俺の様な下士官でも気に掛けてくれるいい人だ。」

セミロングの髪をいじりながら聞いてきたカミラにそう答えた。


まあ、あの人の事だ。

どうなるかは知らん・・・・。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


〔ユーレイン連邦 総帥 七瀬 青海 TACネーム: ブルーコバルト〕

〈ユーレイン連邦 西部 フォード島基地 フォード島空軍エリアにて〉

あれから母さんが人選してくれた10人と共に同じく回してくれた シコルスキー UH-60 ブラックホールで現地へと向かった。フォード島は少々慌ただしかったが直ぐに着陸し、他の10人に先に向かってくれと告げ私は空軍エリアで待機していた。

そう、救助された民間人を待っていたのだ。

特に・・・・少女達。

(早く会いたい触りたい抱きしめたい 愛でたーーーい!!!)

体は制御しているが、とにかくそんな考えがグルグル頭を回っていた。

兎に角、私は少女が好きだ。

だがそんな邪めいた考えはすぐに理性で制圧した、私はこの国のトップだ。

まあ、いいや・・・。

そんな事を一人で考えていると、一機のスーパーオスプレイがVTOL態勢で近付いて来ると私のすぐ近くで着陸。そして後方のカーゴハッチが開き十数人が出てくると私の前に出て、

「海軍STAG 第1中隊第1小隊長 西都道春 大尉、保護した9名と共に出頭致しました。」

「同じく海軍STAG 第1中隊第3小隊 梶田元夫差 曹長、保護しました2名のと共に出頭致しました。」

「連邦空軍 パラジャンパーズ 第1STS第1STT 中隊長 ペラース・クリル 准尉、重要参考人1名を連れ出頭致しました!!」

そう報告して来た。

「了解しました、皆ご苦労様・・・・次に備えて充分休息を取って下さい。」

「「「はっ!!」」」

「で、大尉・・・・後ろの少女達は・・・・。」

「はっ、

オリーエ、メラニア、エレーナ、オリビエ、キリレア、リオラ、ナードリカ、ラミリア、カミラ。

この人が王様だ・・・・・。」

ははは、王様か・・・・・・・。

すると大尉と入れ替わる様に9人の美少女達が出て来た、彼女達はそれぞれ猫耳、犬耳やうさ耳だった。

「あのー?」

するとうさ耳少女が私に尋ねて来た。

「ん?」

「あなたがー この国のー 王様ー なんですか?」

「ええ、そうよ~

それより貴方達を案内するわね。」


[20分後]

他の10人が待つ会議室へ徒歩で向かう間、私達は軽く雑談をしていた。

そして彼女達との間で親睦を深めていった。

「へぇ、デーム・ナナセは17才でしたか・・・・・フロイラインと年が近いですね。」

そんな物をよそに、ジャーメルライヒ帝政共和国海軍第362戦闘群の群司令と自称するナイトハルト・ミュラー准将がそう言った。

「デーム? フロイライン? 准将、それって何です?」

「はは、すみません。デームとは古ジャーメルライヒ語で”殿下”という意味で、フロイラインは”王女”です。我々ジャーメルライヒ人独特の言い回しですね。」

「へぇ、そうなんですか・・・・。」

「お姉ちゃん、七瀬姉ちゃん。」

すると料理が得意なオリビエがそう聞いてきた。

「ん?」

「お姉ちゃんは私達をどうするの?」

「ん・・・・貴女達次第ね・・・・。

さて、到着したわね。」


〔ユーレイン連邦海軍 STAG 第1中隊第1小隊 副長 伊東・三間 少尉 TACネーム: オクトパスボール コールサイン: アルファ1-2〕

総帥に案内され、隊長が助けた9人の少女と他の3人と共に会議場の正面ドアへ進んだ。

「総帥、西都道春 大尉、伊東三間 少尉、ペラース・クリル 准尉、梶田 元夫差 曹長、入ります。」

「どうぞ。」

そんなハスキーな女性の声と共に”カチッ”と電子ロックが開錠され、総帥はドアを開けた。

中は昔の建物の様に質素なエントランスとは違いえらく改築されており、大きな机に人数分の椅子。そして何よりも陸軍、海軍、空軍、海兵隊や政府のお偉方が総勢10人も揃っていた。

「総員起立、敬礼!!」

「楽にして下さい、

皆、好きな場所にどうぞ。」

するとそれぞれ好きな席に座り、俺は隊長の横に座った。

・・・・犬耳のオリーエちゃんが恨めしそうな顔で俺を睨んだのは言うまでもない。

「さて・・・・・皆さん自己紹介をしましょうか。」

全員が着席したのを確認した総帥はそう言った。

「では私から、

私はユーレイン連邦空軍元帥のミーシャ・マチルダです、気軽にミーシャって言ってね。」

「ユーレイン連邦空軍 パラジャンパーズ 第1中隊長のペラース・クリル准尉、よろしく~。」

「連邦海軍副元帥の林元はやしもとです、林元かガンプと呼んでもらえれば良いです。」

「ユーレイン連邦海兵隊のカーン・シュワルツコフ陸将だ。」

「ユーレイン連邦軍 司令部総帥付き参謀の立石唯でーす、どうぞよろしくっ!」

「ユーレイン連邦政府移民局の浅野 鈴です。」

「ユーレイン連邦 国家保安庁保安部 秘密諜報部SIAのジョン・ラスクマン、大佐だ。」

「国家保安庁 海上保安庁の斎藤です。」

「内閣情報部のジェームス・ポール。」

「警察庁警備課のムロンです。」

「連邦海軍 STAG 第1中隊 第1小隊長の西都・道春だ、斉藤さん・・・・模擬訓練以来ですな。」

「同じくSTAG 第1中隊 第1中隊副長の伊東です、ムロンさんも久しぶり。」

「えーっと、私はカナン十二氏が一氏。深遠のカナンが長の娘、オリーエ・パザン。」

「・・・メラニア・バスキス、妹とパーティー組んでました。」

「メラニアの妹でエレーナといいます! お姉ちゃんとパーティーを組んでて槍が得意でした!!」

「オリビエ・メイソンと言います、料理が得意なのでギルドの調理場で働いていました。」

「どうもー、キリレア・ワイエスでーす。趣味は本をー読むことでー、ナイフの投擲が得意だったのでー近接職のーハンターしてましたー。」

「おいっす、俺の名前はリオラ・サンチェルゼンだぜ!! 工業ギルドで働いていたぜ!!」

「私ノ名前ハ、ナードリカ・パルサーダ。・・・・冒険者ヲシテイテ、近接戦ガ得意ダ。」

「ラミリア・メディーと言います・・・、元ハンターで魔法が得意です。」

「カミラ・ヘンデルワースと言って、とにかくナイフが得意です。祖父上、父上と兄上が軍人で自分も軍人に入りたいと思っています。」

「ギルドの正規ハンターをしています アラント・エケテリーナと言います、種族はエルフでクラスはFです。今回は私達を救って頂き誠に有難うございました。」

「おっ、小官だな。ジャーメルライヒ帝政共和国海軍第362戦闘群 司令のナイトハルト・V・ミュラー、准将だ。助けてくれて有難い。」

「ああ・・・・私か、私の名前はハミルンコ・ハンニバル。元アイギナ王国臨編二百人隊隊長で昔は准佐だったが・・・・今は”彼ら”のサポートをしているただのしがない男だ。ありがとう。」

「最後に私ね、ユーレイン連邦総帥・・・・言うなれば国王ね、それをしている七瀬 青海ね。ブルーコバルトとも呼ばれているわ、よろしくっ!!」

総員26名の自己紹介が終わった。


〔ユーレイン連邦 総帥 七瀬 青海 TACネーム: ブルーコバルト〕

「さて、本題に入りましょうか。」

全員の自己紹介が終わり、私は全員に向かってそう言った。

「えっと、エケテリーナさん。」

「はい?」

「貴女達が乗船していた船団の目的は?」

「ブリックス公国から冒険者ギルトへ”公国沖で発生した魔力爆発に関しての調査の名目で行われた依頼の為に編成された物です・・・・・・しかしながら海賊の襲撃の為か白紙になってしまいましたが・・・・・。」

「ブリックス公国とは?」

「スイース大陸 南西部に位置する公国です・・・・確か王族の方が乗っていました。」

「えっ!? どんな人です?」

エケテリーナさんのそんな発言に私はそんな驚きと共にそう尋ねた。

「ええ、やけに立派な装備をした人が居たはずだけど・・・・そのお方は公国継承権第三位のミハイル様よ。」

「あの人ってそんな人だったんですか!?」

するとパラジャンパーズのクリル准尉が叫びながらそう反応した。

「その人知ってるの?」

「知ってるも何も、私がその人の応急処置をしてオスプレイに運んだんですよ!」

へぇ、これは使える・・・・後で面会しなきゃね。

「そう、

エケテリーナさん。国の特徴ってある? 例えば政策とか」

「うーん、・・・・税率は購買品の十分の一と決められていて、非合法の奴隷禁止、あとは魔法、希少鉱石とダンジョンが有名ね。」

へぇ、ビバ マジックね。

「ダンジョン? そんな物があるのか、この世界は。」

「ええ。」

そんなシュワルツコフ陸将の反応に、彼女はそう答えた。

「こほん、次はハミルンコさん。」

「ああ、私の事はハンニバルか准佐で良い。親しい者は皆ハンニバルと呼ぶ。」

「では・・・・ハンニバルさんと、

貴方はどちらから来ましたか?」

そう言い、私は懐から10インチの軍用タブレットと付属の専用タッチペンを取り出し更に白地図化して表示させたスイース大陸の航空写真を表示させハンニバルさんんが座ってる机付近に置いた。

「確か・・・・ベルンゲルの近郊だ、この白地図なら・・・・ここらへんだな。」

彼はタッチペンでタブレットに表示されている白地図の一角に丸を書いた。

「だが、出身は公国では無い。」

ふーん、公国じゃない・・・・ね。私は頭の片隅にそう書き込んでいた。

「現在は無いが、公国の北方近く・・・・アイギナ王国だ。今はコルリス帝国の属領だがな、ハハハ。」

えっ、今はもう無いって

「どういうことですか?」

「もう十数年前の事だ、かのベルガ帝国崩壊後独立したアイギナ王国を筆頭とした小国群を当時戦闘国家としてその蛮勇を轟かせていたコルリス帝国が呑み込みにかかった・・・・・今では”小国潰し”と呼ばれているが・・・・数年でその全てが呑まれた。

私の国 ―― アイギナ王国も隣国であり同盟国のグルカ公国とファーバンティ王国と共に巻き添えを喰らい・・・・

あの日、あの日・・・・いきなり攻めてきた”小刀の死神”を私の部隊・・・・王都第2兵団臨編二百人隊で防ごうとした・・・・が。

が、我が主君は”奴”に首級しゅきゅうを取られ。私は残った王子と王女、そして残兵と共に”勅命”で国を脱出した。私の部隊を含めてたったの5000人強しかこのブリックス公国にたどり着けなかった・・・・・考えても見てくれ、総人口の半分しか救えず・・・・

主君も・・・・・・・・・すまない。」

「・・・・・。」

ハンニバルさんのそんな壮絶な過去を聞き、私も他の全員も声が出なかった。

「ま・・・・私は肩書きだけのクズ ―― 」

「それは違うぞ、ヘール。」

すると横に居たミュラー准将が冷静かつ神妙な顔で告げた。

「ヘールは肩書き以上の事をした、そして・・・・これからどうするかを考えるのが我々生き残った者らの役目だとは思いませんか?」

ド正論だ、ミュラーさん。

「そうですよ、我々ユーレイン連邦も後に手伝えますから。」

私も負けじとそう告げた。

「・・・・そうだな、我々の役目か・・・・。」

「そう言えば・・・・ハンニバルさん。」

「はい。」

「貴方の国・・・・アイギナ王国はどんな国ですか?」

「我が祖国は・・・小さいが良い民と食に恵まれた国だった。」


[1時間後]

あれからミュラー准将、そして9人の少女らから調書を取り会談はお開きとなった。

ハンニバルさん、准将、エケテリーナさんそしてあの9人にはまた聴取を行うかも知れないと告げた上で島の宿泊施設へと連れる様に大尉、曹長と准尉に任せた。

「さて陸海空 海兵隊、それぞれ協議して明日朝一で部隊編成草案をお願い。」

「「「「了解。」」」」

そう言うと彼から足早に退席した。

「移民局は?」

「えっと、我々移民局としましては将来に備え法草案を作成し内閣と協議し返答いたします。」

「了解しました、で・・・・SIAは?」

「我々はそちらと共同に動く為、即急に部隊編成を行いたく思います。」

「ええ、海保は?」

「我々もSIAさんと同意見です。」

「そう・・・・・、内閣と警察は?」

「最近、反戦セクターの活動が活発化しつつあるので。そちらの監視を行いつつ警察庁と共同で”処理”します。」

「我々も同じく。」

「それじゃあ・・・・・いいわね?」

「「「「「はい。」」」」」

帰って寝よう、それが良い。

「唯、あとよろしく。」

「はいはい。」

私達はそう言って解散した。

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