第1章3 緊急閣議
〔ユーレイン連邦 総帥 七瀬 青海 コールサイン ブルーコバルト〕
〈ユーレイン連邦 西海岸中部 首都サガント サガント統合基地 司令部ブロック 中央司令部 大会議室 A-15〉
あれから私は仮設ヘリポートから V-280 オスプレイⅡ で首都の司令部へと戻った、
いつもなら軍用機などでごった返している空軍エリアも今日は不思議な程閑静としていた。
私を乗せたV-280 オスプレイⅡは第3
既にエプロンには他の司令官が乗って来たとみられるMV-50 グレイゴースト、MV-22 オスプレイやMH-60S ナイトホーク、そしてその警護をしていた AV-50 バジャーやAH-64Dロングボウ・アパッチなどが多数駐機していた。
さっきまでは緊急作戦時条項に基づきデフコン レベル2だったが、機内でワスプに連絡してレベル4にまで戻してもらったが未だ元には戻っていない。
そしてすぐ走ってきたピックアップ用のマイバッハ57に乗り込んだ。
[数分後]
しばらくすると、司令部ブロックの中央司令部に到着し。運転手に礼を言い私は会議室へと向かった。
大会議室 A-15にはすでに各司令官や長官達が集まっていた、巨大モニターが備え付けられたテニスコート程の規模が有る空間に多くの人間が居た。
「総員起立、敬礼!」
連邦陸軍司令のジョンソン レッドフィールド元帥が発破をかけると、そこに居た全員が一斉に立ち上がり私に向けて敬礼をした。
私は答礼をし、一番手前の席に座ると全員も着席した。
「さて、状況は?」
すると近くに着席していた参謀補佐官 工藤 さやか 中佐が手を上げ、立ち上がりこう言った。
「現在、再起動した
「そう、他に?」
「総帥・・・いえブルーコバルト、
民需データリンクシステムの7割が機能停止、
国防省システム部の高峰 美里博士がそう付け加えた。
「了解したわ。」
すると突然モニターにレコが撮影したとみられる画像が写し出された。
衛星画像は、アメリカに当たる場所にユーレイン連邦が存在しその横や斜め横にも別の大陸、その大陸らの横には別の大陸2つと島々があった。
「わーお、本当に異世界へと来てしまった様ね。」
この衛星画像を見る限り、我々が異世界へと飛ばされてしまったのは判り切った事だった。
「で、都市の様子は?」
「輸出入貿易以外は異常ないかと。」
ティファニーがそう言った。
「そう・・・。」
「そうですね、少々停電があったみたいですが抗議や暴動もなく
ビッグGこと連邦武装警察長官 グスタフ ハインケルがそう付け加えた。
「更に海の満丁や海流が変わったと各軍港から報告を受けており、現在調査を目的とした艦隊をユーレイン漁協と共同で編成中です。」
ハインケルの近くに居た連邦海軍司令
「了解したわ、空の様子は?」
「少々雲の形が変わったと報告を受けている以外は何も、現在民用空港は全て運用停止にし空に上がっている便は近隣の空港などに下げています、いかがいたしますか?」
姿が某女優に似ている連邦空軍司令でベテランパイロットのミーシャ マチルダ 元帥がそう告げた。
「うーん、そのままでいいわね。」
「了解しました。」
「総合的にまとめるとだ。」
私の横に居るデュークがそう話し始めた。
「陸空海軍海兵隊から派遣部隊を抽出、準備が出来次第出発させ。その調査結果を元にこの国の指針を示す、そうするか?」
「・・・・そうね、そうして。」
「「「「了解。」」」」
各員が立ち上がり、自分の事をしようとしている所。私はニッケルに声をかけた。
「ニッケル。」
「はいっ?」
「人選、頼んだわよ。」
「はいっ! かしこまりましたっ!」
すると、大会議室のドアが荒々しく開きアテナと坪田・信貴 上級参謀官が入って来た。
「どうしたの、アテナ?」
「全員聞いて。」
「どうした?」
冷静な声でレッドフィールド元帥がそう尋ねた。
「連邦から西の方に在る大陸 C-1へ偵察飛行に向かった空軍所属の RQ-4 グローバルホークが接続水域に向け航行している国籍不明の船団を確認したわ。」
するとモニターが切り替わり、グローバルホークが撮影したとみられる映像と画像が写し出された。
「・・・・詳細は?」
「今の所確認出来ているのは10隻、
まず4隻は木造の帆船、2隻は損傷していて多くの負傷者が確認できるわ。
そしてもう2隻は前述の2隻を攻撃している、まさしく海賊ね。
他の4隻はフォード島北方20kmを航行していて、フリゲートクラスの戦闘艦が6隻。」
古風の海賊と国籍不明の艦隊か・・・・。
「そう・・・・、
対応配置は?」
「海賊にはSTAGと
「流石、仕事が早いわね。」
私は頭のスイッチを切り替え、
「全員聞いた、これは良い情報を得られる絶好のチャンスよ。両方を制圧ないし交渉のテーブルに引きずり出す、いいわね?」
全員が頷いた。
「さぁて始めましょうか、テーブル・ドラッガー。」
そして私は立ち、そう告げた。
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