ゲーム好きにはたまらない要素がいっぱい!

この「ヒトツク」は、ただのゲーム世界への転生ではない、他人が作った未完成のゲームへの転移であることにまず驚く。
「未完成」故に起こるイレギュラーなイベントが、他のよくある物語とは一線を画している。

まず主人公がイケメンならぬデブのゲーム好きというところが、現実味があってよい。
その主人公が10年も入れ込んでいる「ヒトツク」と言うゲームの世界での最初の仲間が「名称未設定」だったり、意図しない行動をしてデバッグルームへ創造主に呼び出されるなどメタ的なところが良いスパイスとなって先が全く読めないため、この後どうなるのかな?と気になってどんどん読み進めてしまう。

モブキャラクターが自我に目覚め、世界の広さ、美しさを知るというところにもスポットライトが当たっていて、「人」の主人公と「モブ」から従者へ格上げになった男2人の道中がなんとも微笑ましく描かれている。

他にもクリティカルヒットが戦局に大きく関わることや、ジョブチェンジやキャラクタービルドなど、ゲーム好きにとってはワクワクする要素であり、悩める問題でもあり、そこが丁寧に描かれていて、おもわず、うんうん、と頷くポイントだ。

結論、ゲームのストーリー性やメタ性、練り込まれた設定はゲーム好きな人にも、あんまりゲーム知らない人にも親和性がある。一推しです!

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