おっさんがおっさんと共に行く、未完成RPGの世界!

皆さんはツ〇ールなどのRPG製作ゲームソフトで遊んだことはあるでしょうか? このお話は、まさにそういうゲーム製作途中の世界に転移してしまった男(37歳)の物語です。

主人公サカキが気付けば飛び込んでいたこのゲーム世界は、彼自身のものではなく他人の作りかけのもの! そのため、持っている知識と経験で、サカキは手探りにゲームを進めていくことになります。

最新話の27話まで読んでのレビューですが、この作品の特徴の一つは、主人公がそれほど若くない男性だということ。自堕落な生活のお陰で太ましく、ナメられたくないからと厳つい装いを好む人物です。更に途中で仲間になるのも、タグの言葉を借りれば「おっさん」。キラキラした現地のヒロインがすぐに仲間になったりはしません!笑

しかしこれがジワジワ面白いのです。
現実世界では主人公サカキには友人がいませんでした。しかし彼はここにきて、おっさん仲間と他愛のない会話をし、一緒に食事をし、時には協力して敵と戦ったりしていきます。そんな過程を経て、凝り固まっていたサカキの気持ちが徐々に変化していきます。その様子が、折に触れ丁寧に描かれているのです。

作りかけのゲーム世界ゆえの面白さもあります。想定外の行動をするとイベントが止まってしまったり、キャラクターが同じことを繰り返し始めたり、ルート分岐に悩まされたりもして。「あるある!こんなこと!」がたくさん盛り込まれています。コメディタッチに物語が進んでいくため、よく楽しい笑いを誘ってくれます。

今はゲーム世界も創造主の思惑も見えない部分が多いのですが、まだ物語はこれから。
今後の展開が楽しみなお話です。

お薦めします(^^)!