我儘王女様と軍人の主人公が小説を書こうとするお話から始まる物語

主人公のセルム・パーンは見た目は人と変わらないが魔族であり、魔族の国の軍人として地位向上を目指していたが、理由がわからないまま国の王女の従者にされてしまった。

王女のアルレ・アデレードは、見た目は美しく王族にふさわしい振舞で国民に多大な人気を得ていたが、実はそれは外面だけで、本性は我がままで飽きっぽく、だらしのない生活をしていて、セルムはそんな彼女の小間使いとして日々振り回されていた。

そんなある日、王女は「折り合いの悪い人族と魔人族が平和になるための小説を書く(意訳)」と言い出した。発想は王女、書くのはセルムだと言う。
小説を書くのはまったくの初めての王女とセルムは苦労しながらも、少しずつ設定を考え、主人公のキャラを決めたりするのだが、ネタが浮かばない。

そんな時に、勇者が現れた、という一報が入り、セルムと王女は第一王子や軍隊も巻き込んで遠くから勇者見学に行くことになる。


感想:小説を書き始める時の、何も思い浮かばないもどかしさや、主人公のモデルがセルムになったときに感情移入してしまうことなど、日常がとても丁寧に描かれていて、小説を書く人には特に心に響くのではないだろうか。

その日常生活の中にも、主人公セルムが訳ありだったり、第一王子の登場でどこかきな臭い謎が見え隠れしてくるところが大変興味深い。

オススメです📚

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