星を操るものたち〜彼女の書く物語〜

病室に閉じこもりがちな女性、「エリサ」は生まれた時から脳に大きな障害があった。

一晩寝ると感情の部分だけが、普遍的に記憶喪失になっているという。

ずっと病室に居る彼女は窓の外を眺めている時だけは、心が穏やかでいられた。

養護児童施設で一緒だった友人「アルフ」はエリサの事が心配で幾度となく、病室を訪れては彼女に話かけ続けていた。

そんな日常の会話の中、最近エリサが小説を書いている事を知る。

窓の外を眺めること以外にも、もう１つの楽しみが出来た事でエリサは生き生きし始めていた。

そして新月の日からエリサの小説の読み聞かせがスタートする。

新月のたびに読み聞かせをしていくのだが、その度にアルフは続きが気になってしょうがなくなっていく。

しかしそんなアルフの気持ちとは裏腹に、エリサの…続きを読む