二十の歌の中に人生と母への思いが詰まっています

短い言葉で綴られた二十の歌の中に繊細な機敏が込められた作品です。
夜の商売や社会の片隅に生きる人たち。そんな大人の世界を見つめるひとりの少女が、また自分も大人になっていく。その人生の中で一番近い存在であろう母に対する、苦くも愛おしい気持ち。
目の前に鮮やかな情景が浮かび上がり、母の声、煙草や香水のにおい、懐かしい味などが五感に訴えかけてきます。
ひとつの人生をなぞるような深く渋味のある世界にたっぷりと浸ってみてください。

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