このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(223文字)
計算され尽くした中央揃えの文章は、さながら折り畳み式の携帯電話の画面いっぱいに広がった怪奇小説の文字を追っているかのようなノスタルジックな気分を掻き立てます。肝心要の内容も、もちろん極上のホラー。巨大な魚影に人身御供の風習。数多の謎が渦巻く猫魔岬。業務と会話の合間に、じわじわ、ひたひた、進行していくそれは、椅子に残った海水のごとく。一緒に巻貝支店の螺旋階段をのぼってみませんか?
前回『櫻岾奇談』で、怪異な事件を解決に導いた、藤崎さん。 またもや、大いにいわくあり、の支店に異動させられてしまいます。 『猫魔岬』支店。 名前だけでも、なんとなく不気味で怪しい感じがしますよね。 海のそばのこの支店では、何がおこるのでしょうか。 さびれた町も、神社も、海でうごめく物体も、ホラー感たっぷり。 『猫魔岬』にふるさと納税、してあげてください。