ホラー、でも熱い!

ホラーは人を怯え震え上がらせるもの。しかし本作から感じるのは、熱量。

語られる怪異は恐ろしいです。しかし怪異に匹敵するくらいに人の想いが熱いのです。

金融機関のエリートで遣り手というテンプレの上を行く破天荒な主人公に、土地への愛憎が交錯する周辺人物。彼らは待たず、ひたすら前に進みます。読み進むほどに彼らに引っ張られていきます。

それでも怪異の底知れ無さは…… いや、凄まじいものを心地よく見られました。といっても心底震え上がりましたが。

幽霊より人間が恐い、それはホラーのテンプレ。しかし本作に登場する人間は信頼できます。人っていいな。そう思えるホラーです(褒め言葉)。

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