ホラー、でも熱い!
- ★★★ Excellent!!!
ホラーは人を怯え震え上がらせるもの。しかし本作から感じるのは、熱量。
語られる怪異は恐ろしいです。しかし怪異に匹敵するくらいに人の想いが熱いのです。
金融機関のエリートで遣り手というテンプレの上を行く破天荒な主人公に、土地への愛憎が交錯する周辺人物。彼らは待たず、ひたすら前に進みます。読み進むほどに彼らに引っ張られていきます。
それでも怪異の底知れ無さは…… いや、凄まじいものを心地よく見られました。といっても心底震え上がりましたが。
幽霊より人間が恐い、それはホラーのテンプレ。しかし本作に登場する人間は信頼できます。人っていいな。そう思えるホラーです(褒め言葉)。