11.みかづき


 等身大の愛を伝えたって

 三日もたてば欠けてしまうもの

 夜空に突き刺さった

 軽率な爪紅が

 窓の中で泳いでいる


 肌を閉ざす凍て星よ

 眠らぬ街が寄り添うように

 空のふちと別れを告げている


 忘れたいほどに痛む傷だって

 時が経つほどに心へ沈んでゆく

 今日と同じあなたには二度と見えなくて

 明日は違うあなたとの出会い求めている




 思いの丈に愛を叫んだって

 三日もたてばすり抜けていくの

 寒空に鳴り響いた

 孤高の歌声に

 窓の外で耳を澄ます


 瞳奪う星屑よ

 沈んだ街はささやくように

 空のみおへ祈りをささげている


 忘れないほどに望む夢だって

 時が経つほどに水面みなもへとけてゆく

 明日と同じあなたの笑顔忘れぬよう

 今日は違うあなたの話聞いてみようかな


 みかづきに揺られながら

 最後までゆっくりと


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