6.フェルメールのユウウツ
偽物の謎を解き明かして
あなたの姿を描いても
消えた下書きがすり抜けていく
この手に残るものは
色褪せた漆黒のキャンパス
黄金に輝く愛なんて
砕け散った真珠より高価なものかな
誰かが価値をつけたって
死にゆく者には意味がないのよ
月桂樹のゆりかごに揺られながら
愛を盗んでみましょうか
ホンモノの愛を盗みそこねて
あなたの姿を描いても
震える指先に崩れて消える
しぼり出した愛は
少なすぎて何色にも染まれない
高価で上品な愛だって
切り取った瞬間から絵空事なのよ
ラピスラズリでメイクしたって
燃える燕尾服に溶けていくの
月桂樹の銘酒に酔いしれながら
空っぽになった光の中で
いのちある限り愛なんて
所詮すべてが
神様が価値を叫んだって
死んで初めて幸福と呼ばれるの
月桂樹のゆりかごで眠りながら
光が終息する遥か先で
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