2.ヴィオラとアルメリア


 あなたをつなぐ唯一無二になりたいけれど

 孤独の音が邪魔をしてくるの

 大体 足早に 時をかけて傷ついて

 寄り添うように言葉を奏でると

 まなざしの先はいつもあなた一人 心一つ


 うたえ うたえ うたえ

 わたしの愛よ

 さけべ さけべ さけべ

 わたしの愛に


 そっぽを向いた海はやがて

 あなたがほどいた指を

 隠していくから



 あなたがつむぐ愛の旋律に慣れる頃には

 孤独の色が濃くなっているの

 存在 運命と 時に揺れる痛みたち

 寄り添うように言葉が離れてく

 見つめ合う先はいつもわたし一人 心一つ


 さけべ さけべ さけべ

 わたしの愛よ

 うたえ うたえ うたえ

 わたしの愛に


 光に逃げた海はやがて

 わたしが隠した指を

 遠ざけていくから




 崖っぷちに背筋伸ばして

 愛を奏でるあなたが

 ただ羨ましくて


 わたしの声は小さな粒となり

 音も立てずに露と消える



 あなたと揺れる海のさざ波は一つになる

 孤独の糸がすり抜けていくの

 心が こぼれてく 時の夜想曲から

 寄り添うように言葉を奏でては

 瞳を閉じてもいつも震える鼓動 心二つ


 咲けよ 咲けよ 咲けよ

 愛の花よ

 鳴けよ 鳴けよ 鳴けよ

 愛の音よ


 暁に散る海はやがて

 二人で紡いだ指を

 きっと

 輝かせるから


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