10.産声


 この世界に生まれたいと思ったのは、

 あなたの泣きたいくらいに切ない声を聞いたから、

 この世界を守りたいと思ったんだ。



 生まれ変わっても愛しいと叫んだ。

 わたしたちが星を巡っているのならば、

 必ずまた二人は手をつなぐから、

 ずっと久遠くおんの空に泣いていて。




 来世も元気で。

 生まれたての愛を探しに行こう。






 儚いものが人の夢に似ているのは、

 夢を壊したいくらいに大切な人と出会ったから、

 あなただけを守りたいと思ったんだ。



 生まれ変わっても泣きたいと約束した。

 わたしたちが星に生かされているのならば、

 どんな死が二人の手を放しても、

 やがて久遠くおんの空は一つになる。




 来世も元気で。

 生まれたての愛が産声を上げる。



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