晩秋の後宮。北国から帰ってきた皇子は、『秋』の終わりの始まりを告げる
- ★★★ Excellent!!!
後宮に連れてこられて20年。
かつて寵姫ともてはやされた主人公も、今では、帝のお渡りも途絶え、後宮の片隅『秋の間』でただひっそりと生きている。
20年間で得たものは、後宮での地位と役職・帝の信頼。
でも、彼女が心から欲していたものはそんなものではなかった。
そんな時、北の地に幽閉されていた美貌の第二皇子が戻ってきた。
彼は、執拗に主人公につき纏い。
その真意は、思慕の情だけだろうか。
第二皇子に翻弄される自分を笑い、打ち消しても、揺れる心は嘘を付けず。
愚かな事だと自覚しつつ、傾いていく想い。
そんなこんなが限りなく美しく繊細に描写されている作品です。
少し大人なモチーフではありますが、素晴らしい筆致・心理描写を拝読するだけでも価値ありです。