淑華の孤独を埋めるものは何か
- ★★★ Excellent!!!
絶対権力者である帝・朱棣林の孤独と、かつて寵妃だったヒロイン・淑華の光陰矢の如しの無常が切ないです。帝が寵愛する妃とて政治と無縁ではなく、後宮に女が沢山いても帝にとって本当の愛はそこにありません。でも戦友のようだった皇后亡き後、帝は淑華にだけは弱音を吐いたりして本音を話せます。だから彼にとって淑華は夜伽の対象じゃなくても心の救いになっていますが、淑華はそれに気付いていないのも切ないです。
そこに後宮を持つ帝の特殊事情も絡んできて益々やるせない気持ちになります。淑華自身は他に妃がたくさんいようと夜伽がなかろうと気にしていないし、帝を本当に愛しているわけでもなく、ただ20年も一緒にいる情みたいなものだけがあるだけのようですが、かといって淑華は達観しているわけではなく、なぜか孤独に苛まれているようです。
この心の隙間に例の皇子がじわじわと入り込んでくる予定になっています(最新話は第2章第3話)。淑華は彼に利用されているのを分かっているのに、10歳も年下、それも夫の息子を淑華はいけないと思いながらも愛してしまうんです。その背徳愛がどうなるのか、彼の母が陥れられた陰謀解明も合わせて続きが楽しみです。