第79話 レッドブルズ・ネイントの不正

 ショウカさんが不正を指摘した相手だと!! 確かそのものに排除されてしまったとその相手がまさか‥‥‥ホーラルさんからの話を聞いた後、少しの沈黙があった。


 沈黙している時間、俺はただただショウカさんとレッドブルズ・ネイントのことで驚いていた。


 その沈黙を破ったのはホーラルさんであった。


「黙っているところ申し訳ないが話の続きをしてもかまわないか」


「あ‥‥‥はい、続きをお願いします」


「では。レッドブルズ・ネイント様が組織の一員であることは、ショウカが手に入れた情報により可能性が大きくなったのです。その情報については、ショウカの方が詳しいので‥‥‥」


 目を合わせたショウカは口を開いた。


「私からレッドブルズ・ネイント様のことについてお話します。」


 ショウカがレッドブルズ・ネイントの不正と組織の一員である情報を話すらしい。


「私はクリエント街に来る前は、ガリエント王国で内部事務を行っておりました。私はそつなく仕事を順調にこなしていたのです。しかし、ある時問題が発覚します。」


「その問題というのが、レッドブルズ・ネイントの不正だ。」


 ホーラルが言った。


「そう、私はいつも通り資料を見ていました。しかしある資料を見た時愕然としたのです。その資料には貴族の公的な業務で国が支払った金額が記されておりました。レッドブルズ・ネイント様の所を見ると、公的な業務を行うにしてもあり得ないほど多額の金を国に要求していたのです。」


「その金額はいくらくらいなんすか?」


 ディーラーが質問した。


「ショウカ金額は国の大事な情報だから差し控えてくれ。」


「分かりました。では、その支払われている業務のもろもろはいってもよろしいでしょうか?」


「うむ、それなら構わない。」


「お金を要求している内訳を見ると、勉強のために多くのお金を要求していたり、親善のためということで考えられないほどの金額を要求していたり、交通費でも通常のかかる値段よりも100倍ぐらいの金額を要求していたのです。」


「なんだそりゃ!? いくら何でもぼったくりだろうそれは」


「ええ、私も確認してそう思いました。しかし、周りの者に確認すると要求しているのはレッドブルズ・ネイント様だからここは内密にと言われるんです。」


「つまり他の方々はレッドブルズ・ネイント様に恐れて何も言えなくなっていたと」


「ええ、レッドブルズ・ネイント様に歯向かえば何をされるかわからない。そう思い指摘するものがいなかったと思います。しかし、私は国の金をこのように多く要求してくるのはおかしいと思い指摘する前に調査を行いました。」


「流石、ショウカさんっすね。」


「ありがとうございます。そして、調査を進めると怪しい所が次から次へと出てきたのです。武器や護衛の兵の調達などをひそかに行っていることが分かりました。さらに大きな問題があり、なんとレイタントに関わりがあると思われるところに出入りしていることが確認できたのです。」


「それは大問題じゃないですか!?」


「ええ。そのため、私は国にレッドブルズ・ネイント様が不正を行っていることを指摘したのです。ところが、それを見過ごすわけにはいかないと思ったレッドブルズ・ネイント様が裏で私を排除するように手を回したのです。」


「そのことは、王国の護衛を行う俺がいろいろなかたからお聞きしてそのようなことをレッドブルズ・ネイント様がしていると情報を手に入れたから信憑性は高いと思われる」


「‥‥‥とにかく、レッドブルズ・ネイント様の手にかかった内部事務の人事部の者が私に対してやめるように宣告せてきたのです。このままいてもどうしようもないと思った私はそれを受け入れました。」


「そしてクリエント街に来ることになった。」


「ええ、その通りです。とにかく、そういうことでレイタントには大臣も関わりが持っている可能性がありきわめて危険な組織です。もしかしたら、この街にもその組織の連中がいるかもと思いこのように慎重に行動しているのです。」


「なるほど。なぜ疑り深く行動しているのかなんとなくですが把握しました。」


「分かっていただけたのならありがたい。では、私どもを信用してスイダークの者達を引き渡してくれるかな!?」


「はい。あなたたちなら信用できます。お願いします。」


「ウム。」


 俺とホーラルさんは握手をした。だが、その時であった。突然辺りが真っ暗になったのである。


「な‥‥‥何だこれは!?」


 俺達一同は突然部屋が暗くなったので大騒ぎしていた。


 そのとき、暗い部屋の中でもなんとか見ることができていた俺とディーラー、そしてホーラルさんは怪しい行動をするものに気づいた。


 なぜかその怪しい行動をしていると思われたもの達は次々と持っている剣を抜き出したのである。


 ま‥‥‥まさかこいつら!?


「おい剣を出しているお前達、早く剣をしまわぬか。」


 しかし剣を出した数人程はいうことを聞かず近くにいた護衛の者を襲い殺した。


「私たちはお前の命令など聞かない」


 どうやら、こいつらはホーラルさんの味方ではないのは確定したようだ。恐らくこいつらはスイダークかそれともレイタントの可能性があった。


 どちらにせよこの者達と戦わなくてはいけないと理解した。

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