第41話 カルロス駆け付ける
一方その頃、エマは恐怖で立ちすくんでいた。
エマの少し前にゴブリンナイトが迫っていた。
ゴブリンナイトが一歩ずつ近づくたびにエマは圧を受けて、さらに恐怖していたのである。
エマは自分の力では勝てないと悟り、ただただゴブリンナイトが近づいてくるのを恐怖しながら見てるだけしかできなかった。
(近づいてくる‥‥‥‥‥‥ゴブリンナイトが近づいてくる‥‥‥‥‥‥でも、なにもできない‥‥‥だ‥‥‥誰か‥‥‥‥‥‥助けて)
そんな時だった。エマの頭上を飛び越えて、降りてくるものがいた。
そのものが地面に着地すると、衝撃音と共に砂ぼこりが舞っていた。
砂ぼこりが消えると、視界が開けた。地面は、少しえぐれていた。
そして、目の前には、一人の男が立っていた。その男は、私の自宅でもめた男で学園を追放されたものだった。
その男は、俺ことカルロスだった。
俺は、真っ先にエマに語りかけた。
「エマさん、大丈夫ですか?」
「私は、大丈夫よ。それよりなぜ、あなたがここに‥‥‥‥‥‥」
「それは‥‥‥」
(俺は組織の命で、エマ達を観察していて、窮地になっていたから助けに来たとは言えないしな‥‥‥それに、組織のことを今は伝えるべきではないと思うしな‥‥‥‥‥‥)
俺は、悩んだがひとつの回答を考えた。
(そうだ、こう言おう!!)
「俺もゴブリンどもを倒すために来たんですよ。この前、エマさんが、今日の昼頃にゴブリンどもを討伐するといっていたでしょう。」
「私も、ゴブリンどもを討伐したくて、この前いわれた時間帯にこの森に来たんです。」
「そうだったのね‥‥‥でも、今は来るべきじゃなかったわ。何せ相手はゴブリンナイトなんだから。」
「学園のとき、私よりも実力が下だったあなたでは勝てない相手よ!!」
(なんとかなっとくしてもらったな。でも、学園の時の俺の強さしか知らないエマさんは俺じゃ勝てないと言ってきた。まあ、エマさんに自分の実力を示すと、学園に伝えかねないので控えていた。だから、エマさんがそう思ってくれているのは成功なんだが‥‥‥)
(ゴブリンナイトと戦わなくては行けない今、実力を隠しては戦えない。ならここはあえて実力を示して、ゴブリンナイトに十分戦える姿を見てもらって、考えを変えてもらおう!!)
「エマさん、今の俺の実力は学園にいたときとは違います。だから、そこで見ていてください!!」
俺は、霊力を放った。すると、エマさんの表情が変わった。
エマは恐怖の顔から驚きの顔に変わった。
(カルロスの周りに出ている光はなに!? 彼は得たいの知れない力を身につけたの!!)
エマが驚いている間に、カルロスはゴブリンナイトに突き進もうとして、動いた。
「ちょっ!! 一人で挑もうとするのは無謀‥‥‥」
エマが言いかけている間に、カルロスはゴブリンナイトに向かっていった。
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