第6話 VS ダンジョンボス

 階段を降り、5階についた。


 辺りを見回した。すると、天井から鍾乳石が垂れていた。その鍾乳石は、一人分ぐらいの高さがある。


 そのまま歩みを進めると、中央付近に何かがいたのだ。


 ランプをかざすとそれは巨大な牙が生えていて、体毛が分厚く大きな図体をしていた。


 それは、ボブゴブリンだった。3人分ほどの高さがある。また、その周りには、多くの冒険者が倒れていた。恐らく死体だろう‥‥‥


 俺はすぐさま、ランプをバッグに取り付け、剣を取り出し、臨戦態勢に入った。

 

 ボブゴブリンの方は、持っていたこん棒を斜め横に振りかざしたのだ。ボブゴブリンと俺の間には距離があったが、こん棒が俺の頭上に来ていた。


 俺は、驚愕しながら、横に飛んだ。何とか、よけることができた。しかし、ボブゴブリンはなおもこん棒を斜め横に振ってこようとしていた。


 俺は、すぐさま立ち上がり、ゴブリンに向かっていく。


(恐らく、リーチは長いが‥‥‥その分、懐に入れば、こん棒の攻撃は当たらない)


 俺は、心の中で予測して、懐に入ろうと突っ込んでいた。


 ボブゴブリンは、俺の考えなど気にしていなく、こん棒を斜め横にふるってきた。俺は、全力で懐に走っていく。


 そして、ふるってきたこん棒が俺の頭上に来た。俺は、焦った表情をしながらも、寸前で懐に入ることができた。


 こん棒は何もない地面を叩いただけだった。ものすごい地響きが聞こえる。


 懐に入った俺は、剣を一撃くらわした。しかし、かすり傷程のダメージしか入らなかった。


(嘘だろ‥‥‥かすり傷程しかくらってねえ‥‥‥こいつは強い、どうすればいいんだ‥‥‥)

 

 絶望しながら考え込んでいると、ボブゴブリンが、片足をあげたのだ。俺ははっとして、すぐさま真横に飛んだ。その直後、片足が降りてきた。


 片足が思いっきり、地面を踏んだので、砂ぼこりが飛んだ。ボブゴブリンは、砂ぼこりで前が見えなくなっていたのである。

 

「げほっ‥‥‥ごほっ‥‥‥」


 俺は何とかよけれて無事だった。しかし、危なかった。俺は油断してしまい、反省した。そして、すぐさまボブゴブリンを倒す方法を考える。


(どうやったらボブゴブリンを倒せる‥‥‥あいつには、かすり傷程度しかダメージは、はいらなかった。恐らくこの剣では、胴体にダメージは少ししか入らないだろう。しかし、首ならどうだろうか‥‥‥ダメージを入れることができるのではないだろうか‥‥‥)


(でも、首を狙うには、ボブゴブリンの首に近づくか、ボブゴブリンの全身を地面にたたきつけるぐらいしか、方法はないだろう‥‥‥)


 俺はそう考えた後、天井の鍾乳石とランプを見た。その直後、俺は一計をひらめいた。


「この方法なら、ボブゴブリンを倒せるかもしれない‥‥‥」

 勝利への道筋が見えた。


 その後、ボブゴブリンの様子をうかがう。ボブゴブリンは、砂ぼこりで辺りを見失っているようだった。襲撃するなら今がチャンスだ。


 俺はそう考えると、すぐさま行動に移した。


 ボブゴブリンは辺りを見回していた。


 すると、頭上付近に何かが飛んできたのだ。オークは身の危険を感じ、こん棒を下から天井に向けてふるう。


 すると、天井から垂れていた鍾乳石にこん棒が当たり、次々と落下した。また、ボブゴブリンが俺と思った正体は、ランプだった。


 それらの出来事から、ボブゴブリンは驚愕して叫んでいた。


「ぐががががが~~~~~~!!」


 その直後、鍾乳石がたくさんボブゴブリンに向かって落ちた。

 鍾乳石が次々と落ちたため、砂ぼこりが激しくまっていたのある。


 しばらくして、砂ぼこりが消えた。すると、倒れているボブゴブリンと、多くの砕けた鍾乳石のかけらが、ボブゴブリンの上や周りに散らばっていた。


 俺は、倒れているボブゴブリンに向かっていく。

 ボブゴブリンを剣でつついた。すると、ピクリと反応があった。


 そのため、俺はボブゴブリンの首元に向かった。剣を首に向けた。そして、剣をそのまま突き刺した。


 首はやわらかかったので、剣は根本まで刺さったのである。刺さった所から大量の血が流れた。


 その後、ボブゴブリンの反応はなくなった。

 俺は、ボブゴブリンを倒すことに成功したのだ。


「はあ‥‥‥はあ‥‥‥何とか倒したぞ‥‥‥」

 俺は喜びよりも疲れがきていた。


 その後、剣を引き抜いた。ボブゴブリンの牙だけはぎ取り、バッグの中に入れた。


 そして、バックからランプを取り出して、歩みを進める。


 しかし、ボブゴブリン以外には、敵はいなかった。

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