第4話 初めてのダンジョン挑戦

 夜になった。俺は、回復薬、状態回復薬、ランプ2つの最低限の荷物をバッグに入れた。


 身支度を整え、剣を装備して宿屋を出る。


 街灯がついていて、少しだけ明るかった。しかし、街の外に出れば暗くなるので、バッグの中からランプ1つを取り出した。


 その後、街の外に出た。外に出ると、森に向かう。

 

 森の中に入った。昼間は薄暗かっただけだが、今は、周りは真っ暗である。


 魔物の叫び声は聞こえてこなかった。ただ、風と木々の揺れる音だけが聞こえていた。


 だが、魔物や盗賊に出くわさないとも限らないので、茂みにかくれながらダンジョンに向かって進んでいく。


 アイテム屋の店主がくれた、地図を見ながら、印が書いてある方角に向けて歩いて行った。


 歩いている最中に空を見上げた。暗い空に星空が無数に輝いていたのである。俺は星の輝きに感動しながら歩いて行った。


 時間をかけて歩いていると、薄暗くだが洞窟が見えた。恐らくあれがダンジョンだ。


 俺は、その洞窟に向かって歩いて行く。


 少しして、洞窟の入り口前についた。洞窟を前にするとその大きさから威圧感が感じられた。


 また、暗闇の穴を見るとどこまでも続いているように見えた。


 俺は心の準備を整えると、唾を飲み込んだ。ゴクンという音だけが聞こえた。少しして、洞窟の中に入っていった。


 こうして、俺のダンジョン挑戦が始まったのである。


 洞窟の中に入ると、ランプをかざしながら、周りを確認した。


 洞窟の天井までの高さは、普通の人の高さの3人分ほどあった。奥行きや広さは結構ある。ダンジョンは洞窟の中なので、岩肌だった。


 俺は、周りの確認を終えると、奥に向かって、進んでいく。


 20分ほどかけて歩いた。だいぶん進んだが、周りは岩肌だけで、魔物とも出くわさないでいた。


 また、夜なので冒険者が誰一人もいなかったのだ。歩いている時は、自分の歩く音しか聞こえなかった。


 そのまま進んでいくと、階段らしきものが見えた。2階層に行くための階段だと俺は判断した。


 階段の周りには魔物らしき姿は見えなかったのだ。俺は、結局魔物に出くわさず、階段を降りた。


 2階層についたが、辺りには魔物らしき姿は見えない。何故、魔物がいないのか考えた。


 俺の見立てでは、冒険者が次々挑んでいったため、1階層には魔物がいなかったのではと推測した。


 もしかしたら、低階層には、魔物がいないのかもしれない。


 その後、俺は歩みを進めた。だいぶん歩くと、階段が見えた。3階層に行くための階段と思われる。


 ここでも魔物とは出くわさなかった。やはり俺の予想は当たっていたようである。


 階段を降りて、3階層についた。辺りには魔物がいない。3階層でも魔物はいないのではと思いながら、進んでいった。


 すると、中間くらいで、なにやら、小さい人影が見えた。


 ランプをかざすと、それは、目が黄色く光っていて、鋭利な牙が生えている緑色をした魔物であるゴブリンだった。


 そのゴブリンの図体は細く毛皮の短パンしかはいてなかったのである。

 

 俺は、動揺したが、焦ることなく、ランプを地面に置くと、すぐさま臨戦態勢に入った。


(ダンジョン内で、初めての対戦だ!! なんかワクワク、ドキドキしてきた!!)


 ゴブリンは何も考えず俺に向かって、突っ込んできたのである。持っていた剣で攻撃しようとしてきたが、俺は寸前でよけて、逆に剣をふるって攻撃した。

 

 その攻撃はゴブリンに当たり、一撃をくらわせた。その一撃を受けたゴブリンは、その場で倒れたのである。


 俺は油断することなく近づき、お腹に剣を刺した。なにも反応はない。どうやらさっきの一撃で屍になったようだ。


 俺は、ゴブリンを倒した。ダンジョン内で初めての勝利で、嬉しくなった。

「よし!! ダンジョン内、初めての勝利だ!! めちゃくちゃうれしいぜ!!」


 喜んだ後、ゴブリンの身に着けているものをはぎ取り、バックに入れた。その後、ランプを拾って、手に持ち、再び歩みを始めた。


 その後は、魔物とは出くわさず、階段にたどり着いた。階段の周りには、魔物はいない。俺は階段を降りた。


 階段を降り、4階層についた。俺は、周りを確認した。3階層とは違い、天井の高さまで、普通の人の5人分ほどの高さがある。


(ここの層はこれまでの層とは、雰囲気が違うな‥‥‥一応、警戒しとこう‥‥‥)


 周りの確認が終わると、俺は警戒しながら、歩みを進めた。

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