Chapter.Ⅲ こばなし

※必ずChapter.Ⅲを読んだあとにお読みください。




引き続きChapterごとの『こばなし』をしていこうと思います。


話の説明や、あえて文章に起こさなかったことなどを書いていきます。


作者自身が離人症性障害のため、少し独特な文章だったりするため、このような形を取ることにしています。


興味ありましたらおさらいがてら読んでいって下さい。




―Karte.12 Discord―

タイトルは不一致という意味ですが、音楽では不協和音とかを意味する言葉でもあるんです。



・普通の学校に親がお金持ちで名門校に通ってそうな美女高校生がやってくる


・男女間の転校生の反応


・転校生に対する景と明快の反応


全部、不一致さを著しているんですよね。

その一見、不協和音な感じに零花は瑠璃羽と仲良く出来そうと思っているっていう話です。


―Karte.13 新月―

転校生・越智瑠璃羽の家庭事情が明かされる話です。


越知一家は建築家であることを自慢するために建てたような家で、常に家族が揃うことなんて無いんです。


そして、新月は【Chapter Ⅰ】の『Karte.4 嗤う月』で景が見ている満月に対して真逆になるようにしました。

瑠璃羽は統合失調症の初期段階で、アビスという存在に唆されています。


新月が綺麗だと言ったアビスは

「あの子はね…自ら光を発することは出来ないの…照らすものが存在しなければ意味がない…ねぇこの意味わかる?」

「さぁね、わかっても認めない。」

というやりとりがありますが、瑠璃羽本人をあなたはまるで新月みたいと言っているんです。

太陽が昇る沈むというの感覚は地球を軸にした見え方で、実際には地球が回っていて、月は地球が影になり太陽の関係性によって満ち欠けて新月となります。

照らされる環境が無ければ、あなたは輝けないと言うことですね。

良いことを言っている風に聞こえますが、同時に怖さも感じてもらえたらと思います。


―Karte.14 パラノイア―

瑠璃羽が零花と帰ろうとすると、同じく読書が好きだと発覚。

本を教室に置いてきたことを思い出し、取りに行こうとするとクラスメイトに呼び出され、明快と喧嘩をした隣のクラスの不良が絡んでくる話です。

それを景が目撃して、再びヴィランの力に頼ります。

自己犠牲と他者貢献が話の軸になっています。

一応、Karte.16の利己的な遺伝子に繋がるようにしてみました。

ヴィランという薬は自分は疎か、他人の動きすらスローに見えてしまうくらい動きが読めてしまいます。



―Karte.15 ACTIVATE RESONATE―

この話は景が精神科に通院し、認知行動療法を教えてもらう話ですが、色々伏線を張りました。


・電話でうつが治ったと申告してくる患者


・その患者が名乗るメフィスト様という存在


・そして実花の恋人であった真実の時と状況が酷似していること


・真実のときのアモンという悪魔の存在


この辺は今後の伏線になっていきます。



―Karte.16 利己的な遺伝子―

読書同好会の話ですね。

これは定期的に入れ込むことになりそうです。

瑠璃羽の読む本【利己的な遺伝子】の話ですが、スルーしてもストーリーは理解出来ます。

ただ話の伏線として追っておくと面白いですよっていう感じにしているので、難しい方はそんなのがあるんだなあくらいで読んでもらえれば良いと思います。

そして、少なくとも景と瑠璃羽はこの日常に物足りなさを感じているということですね。



―Karte.16 BALANCE―

ここで瑠璃羽は契約することを決意してしまう話ですね。

統合失調症についてはかなり調べました。

離人症性障害も同じだと思うのですが、そういった疾患って少しずつなっていくようで、その段階というかグラデーションのようなモノはあるんですが、気付かずに急に崩れさったりします。




『平静を装ってはいたが、毎日傾く天秤は彼女を擦り減らしては、感情を分銅に変えて底上げを繰り返し、無理矢理に均衡を保っていた。

バランスとは、不釣り合いと不釣り合いを調和して補い合っているだけで、それをバランスが保たれていると呼んでいるだけなのかもしれない。』


この部分は割と気に入っています。

感情を分銅に変えてという部分と、バランスというものを保たれていると表現せず、不釣り合いと不釣り合いの調和と表現しました。


また新月の例え話をここで更にアビスがくわしく説明しています。


そしてアビスの存在を統合失調症の症状なのかという瑠璃羽の問いかけに、シュレーディンガーの猫を例えにしました。

アビスの存在もいるのかいないのか…契約も使い方次第では自分を取り戻せるかも?と唆します。

アビスは何かを企んでいるのかもしれませんが、瑠璃羽を誘導するのが上手いですね。


ここでChapter.Ⅲは終わりです。

Chapter.Ⅳですが、伏線どころでは無い仕掛けを施しますので楽しみにしていてください。



以上、Chapter.Ⅲに関してのこばなしでした。

作者である私も離人症性障害であるため、少し文章として至らぬ所もあるかと思いますが、読んでくれている方、本当に感謝いたします。

これからも引き続きよろしくお願いします。

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つくりてこばなし 久良運 安寿 @mephistopheles_401

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