Chapter.Ⅱこばなし

※必ずChapter.Ⅱを読んだあとにお読みください。


引き続きChapterごとの『こばなし』をしていこうと思います。

話の説明や、あえて文章に起こさなかったことなどを書いていきます。

作者自身が離人症性障害のため、少し独特な文章だったりするため、このような形を取ることにしています。

興味ありましたらおさらいがてら読んでいって下さい。


―Karte.7 Script error―

離人症性障害は多重人格とかではないので、とにかく自分が自分ではない違和感が生じた時に、苦痛というか気持ち悪くて仕方ないのです。

なので、離人感が現れたときは受け入れるために、メフィストと別の存在として名付けるというのは一つの手段なのではと作者自身も思っています。

表現するのが難しいのもありますが、明確には表現していない見え方を零花の一般視点側として、どう見えているんだろう?と問いかけるストーリーになっています。

見え方の違いというものを提示しつつ、理解や共感とはかけ離れた所にいる仲間についても話しています。

知る=好きになる

知る=嫌いになる

哲学的なアンチテーゼですね。

相反するものがイコールになってしまったり、矛盾って本当に成り立っていないのかという逆説的な思考を作品にしたいと思っていたので、まず『好き』『嫌い』というものを題材に書いてみました。

そして、何故か懐かしさを感じる我生と実花からは正式に離人症性障害であると告げられる。

作者もそうなんですが、トラウマなどから長い間、離人感をずっと感じているんですね。

基本はうつなどのときに一時的になる人が多いみたいです。

そして治療法も見つかるんですが、次の話で蓮極エデンと出会ってしまうんです。


―Karte.8 CONTRACT―

どことなく自分に雰囲気が似ていると感じた蓮極エデンと契約を交わすストーリー。

これも離人症性障害でなければ、絶対に契約を交わしたりはしないんでしょうね。

景は正直者だったり、素直な性格なので素直な人ほど騙されるということや、離人症性障害でファウストを読んでいたため、そういう話がタイムリーだったため食いついたんでしょう。

ここで悪魔蒐めという役割を命じられて、やっていくことになるのですが、まだ謎は多いままにしています。

エデンの目的は?

ただ景をもてあそんで楽しんでいるのか?

何か真の目的があるのか?というのは謎のままで話は進んでいきます。


―Karte.9 拍動―

家に帰ってきてエデンとの契約のことを隠しているつもりが、母親には悟られてしまうというストーリーです。

そしてここでも離人症性障害の特徴である、いつも見ている世界に疑念を抱いてしまうという感覚を説明しています。

作者である私は、お店を出た時に「そう言えばここにいたんだ」という感覚になって、場所の感覚がわからなくなったり、「駐車場どこだっけ?」となったりします。

もし実際に蓮極エデンに会ったら普通の人ならビックすると思うんですが、景の場合は軽いノリで受け入れてしまう。

そして後になって気付くというのを表現しました。

夢の部分は実際にそう見えている訳ではありませんが、離人感の体現というものをすこし幻想っぽく書きました。

母親の愛、精神科医・実花、理解してくれる友達

、それだけいれば十分なはずなんですが、それを覆す話にこれからなっていきます。


―Karte.10 SCARE―

相変わらず離人症性障害の心理多めですね。

ここで初めて『ヴィラン』の力を使うストーリーです。

悪魔は実体としてではなく、普段は理性で守られている感情である心に棲みついた悪魔が身体を侵食するという形で表現しています。

バケモノ化させる予定はありません。

『ヴィラン』という薬は、景とメフィストを都合よく繋ぐ架け橋になっています。

そして悪役を意味するヴィランの文字通り、景は心の悪魔メフィストを使い、毒を以て毒を制するという言葉があるように、悪魔を以てして悪魔を封印していくことになります。


―Chapter.11 MULTI PESONALITY―

ヴィランの力と悪魔を祓われたことで、今までの明快では無くなってしまったのでないかと心配をするストーリーです。

景は少し自分が悪魔に乗っ取られてしまっているのでは…?と自覚しはじめています。

心の悪魔とアクセスすることによって、一時的に手に入る超人的能力に驚きつつ、メフィストは『恐怖なんて薬の副作用みたいなものだよ』と思っているんですね。

これは景の中の悪魔の楽観視している部分なんです。

人格は変わっていないのに、別人格がいるような感覚。

これは離人症性障害の自分が自分ではないように感じる意識のことを指しています。

そしてそれを遠目で覗いている女性が出てきてChapter.Ⅱは終わります。



以上、Chapter.Ⅱに関してのこばなしでした。

作者である私も離人症性障害であるため、少し文章として至らぬ所もあるかと思いますが、読んでくれている方、本当に感謝いたします。

これからも引き続きよろしくお願いします。

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