互いに互いのことがわかるからこそ、厄介だ。

二人ならなんとかなると、信じて疑わなかった。
そんな護国士のレンドールのもとに届いたのは、白の巫女の真詞。
 
『《雲晴れぬ山の向こう、虹のかかる谷の先
黒き瞳の魔物あり
其は己を知らぬ
知らぬまま力を蓄え、そして、全てを滅ぼす》 

道を違えたければ、それを探し出し、力付けぬ間に闇へ返せ』

レンドールは護国士として初仕事をなそうとする。
しかしそれを阻むのは、相棒であるはずのエラリオだった。
『魔物』と呼ばれた少女を守るエラリオと、そんな彼に剣を向けるレンドール。
レンドールは護国士としてエラリオの行方を探すため、アロという人物と行動を共にする。
互いに互いのことがわかるからこそ、お互いの性格を見抜いた対決が始まった……。

この国は魔物から守られている、安全な幸福な国。それゆえに、『外者』が魔物から逃げるためにやってくると言われている。だが『外者』は、ここへ来る前のことを覚えていなかった。

『外』にはなにがあるのか。エラリオの真意はなんなのか。本当に預言どおり、かの少女は全てを滅ぼすのか。たどり着いた先で、レンドールは何を選択するのか。