白は神、黒は魔物の色とされる世界で。気になる友情とその結末
- ★★★ Excellent!!!
しょっぱなからから激動の、親友との断絶シーン。
命令を受け、ついに発見したターゲットの”魔物”を倒すべく剣を振るった主人公レンドール。しかし、その攻撃を防いだのは相棒で親友のエラリオだった。
黒い瞳の少女……彼女は間違いなく宣託の魔物のはず。しかし親友は彼女をかばい、そして姿を消してしまう。彼の突然の行動の意味と理由とは。
その謎と真意を問うために、行方をくらました親友を追う事になる主人公。彼の旅路の過程で徐々に真実に近づいていくストーリー展開は、先がとにかく気になって仕方がない。
魔物を連れて逃げた人間の元相棒という事で、レンドールには監視がつけられるのだけど、一癖も二癖もありそうな監視人もかなり魅力的で、二人のコンビ的やりとりも楽しい。追う側レンドールと逃げる側エラリオとの頭脳戦も見どころ。
世界の謎に触れながら、魅力あふれるキャラクターが人間ドラマを織りなしながら展開される骨太ファンタジーで、腰を据えて読みたくなる一作です。