概要
皮肉のような、そんな名前。
幼馴染である「アオちゃん」が亡くなってから十数回目の墓参りに来た「あたし」はこれまでとこれからを回顧する。
その中で出会った一つの事実と、残酷な答え、神様の皮肉に彩られた「あたし」の、小さくも大きな蹉跌の物語。
その中で出会った一つの事実と、残酷な答え、神様の皮肉に彩られた「あたし」の、小さくも大きな蹉跌の物語。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!悲しみはパレットを黒く染めて。
アオがいなくなって、カラフルなパステルはひとつずつ抜け落ちていった。
他のみんなが別の場所で持ち前の色を発揮している間も、自分だけは踏み出せない。
そんなひとつの苦悩の物語。
・
加法混色、減法混色なんて言葉を思い出したのはいつ頃振りだろう。
光は集まるだけ明るくなるから、最終的には白になる。
塗料は集まるだけ反射できる光の範囲が狭くなり、最終的には黒になる。
この作品は喪失と染色をテーマとしているように感じられた。
喪失をきっかけにモノクロームとなる作品は少なくないが、更に捻りが加わっている。
彼女はパレットだったのだろう。
色達との触れ合いを通じて、彩りを保っ…続きを読む