話のテーマはシルプル。愛し、愛されるということ。
姉妹ということもあって恋愛よりかは家族愛(共依存)の方が強い。ストーリー的には前半はほぼ家族愛、恋愛要素は後半から、最後数話が濃いめ。姉は何となく氷系溺愛スパダリヒーロー(妹はそのヒロイン)が彷彿される。
心理描写にフォーカスしているためか、全体的に無駄が削ぎ落とされていて大変読みやすい。そのため内容がスッと入ってきてストレスなくサクサク読めた。
愛や人生を理解するのに同じ時間軸をループするということの意味や理由を上手く使えていて感心した。無双やザマァ系の作品が多い中で、個人的に珍しく人生のやり直し物語に感情移入できつつ納得感があった。
一度の人生じゃわからないこともある…繰り返して止まったような時間のなかで心が成長していく過程は何とも言えないエモさがある。
ヤンデレって自己愛が強いのか感情が極端過ぎて思考回路に意味不明なことが多いが、これはトラウマ拗らせ系で、心情と言動に矛盾や腑に落ちないといった所謂“モヤる”ことが殆どなかったという、最近ではわかりやすいラノベ作品だった。
いつ主人公が監禁されるかという常にヒヤヒヤするサスペンス感も良き。
あと、しっかりヤンデレです。