生まれ変わり、という言葉には何か不穏なものを感じてしまう。本作品は、ある日何やら不可解な事件が勃発した所から急転直下する。 うめき声にも似た不穏な詠唱、そして菫色の光。まさかの屋内の〈状況〉に、思わず背筋を震わせながら、読む。主人公の 野望 は、果たして成し遂げられたのか。時空の挟間で、宇宙の彼方で。そして記憶の底で。そもそも、この作者は【プロビデンスの巨人の生まれ代わり】なのだ。
徹頭徹尾、理想のクトゥルーといった雰囲気。個人的には、文章の締め括りかたが特に好きです。事件の多くが謎に包まれたまま語られない。 後を引く不気味さと、刺激される知的好奇心。こんな話を聞いたら、絶対に現場を見に行きたくなりますね。最高です!
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