第9話 荒れ
「なぜですか?ブラル様。まさか、寝返ったと言うのですか?」
「じゃあ、【暗影】さんは、この人が悪いやつに見える?」
「今更なにを仰ってるのですか?人間は皆我らの敵ですよ。」
当たり前だとでも言うように暗影は答えた。
「僕は少なくともそうは思わないな。」
「そうですか…ならば、反逆者として裁くまで!」
暗影の口調が変わる。
「別に戦わなくてもいいんじゃない?」
「駄目だ!」空中に無数の影が展開される。
そんな二人の会話にパーツが割り込む。
「そこら辺にしとけ、あんた、暗影とか言ってたな。敵が目の前にいるのに味方に敵意を向けるとは愚かだな。」
「…愚かだと?キサマァァァァァァァァァァ!」
ついに影が飛び出す
「人間の分際で、ゴミ以下の分際で、誇り高き魔族に対して『愚か』だと?ふざけるな!ふざけるなぁぁぁ!」
【暗影】は我を忘れて怒り狂う
「今ここで殺す!そして愚かにも人間に堕ちたブラル!キサマも殺す!」
影の密度は濃くなっていき。やがて丘一面が影に包まれ、消滅した。
「はぁ…はぁ…老体にはきついな…」
暗影は勝利を確信していた。もし、彼が平常心を保っていたら気付くことができたのかもしれない。二人はすでに丘から離れていたことに。
孤高の魔族の奔走 ヨイクロ @yoikuro
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