第3話 バレそう
「では、この水晶に手をかざしてください」
彼に予想外の出来事が起こった。実力を測るために戦闘実技試験や学力調査があるという予想が外れたこともそうだが、目の前の水晶を使うということが一番予想外であった。
おそらくステータスを見る魔導具だと思われるが、このままだと、彼が魔族だということがわかってしまう。
「水晶に手をかざすとどうなるのですか?」
「あなたのステーテスを読み取り、印刷してくれます。二部発行されて、一枚はあなた用、もう一枚はギルド用になります。ああ、厳重に保管するので個人情報の漏洩とか悪用とかは心配しなくていいですよ!」
「…そうですか」
彼は覚悟を決めて手をかざした。
手がかざされた瞬間、水晶から白い光がブラルの体を包むように溢れ出す…数秒経ち、情報を全て取り終えた光が水晶へと戻って行く。
しばらくして、水晶から2枚の紙が出てきた。
「印刷完了です…魔力が高いのですね〜。」
水晶は人間が使う前提の魔導具だったため種族については一切触れられていなかった。彼はピンチを乗り切った。が……
「おいおい、ガキがこんなところで何してやがる」
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