第8話 乱入者

 二人はお互いに身体強化の類いの効果を施す。


 お互いに駆け出し、拳がぶつかり合う。


 …という寸前で二人は止まり、


「おい、こんなところで何をしているんだ」パーツが一本の木の幹に言葉をかける。


「やれやれ、困りますねぇ」木の影からスーツを着た…魔族の老人が、言葉の通り"這い出て"来る。


「気配遮断は得意分野なのですが…良く気付きましたねぇ。それに隣のあなた、ブラル様ではないですか!」


「久しぶりですね。【暗影】さん」


「なぁ、ブラル、知り合いなのか?」


「はい、彼は魔族の中でも暗殺を得意としてる人なんですよ。そのくせして真っ向勝負もそこそこできるから、魔族の中でも最強クラスです。たまに、仕事の関係で話すことがあるんですよ、」


 ブラルが解説する。


「ブラル様に最強クラスといわれるなんて嬉しいですねぇ。しかし、敵に情報を渡しているのはどうかと思いますがっ!」


 いきなり、老人暗影がパーツの影を操り、パーツを串刺しに…することはなく、パーツが纏っている〈コロナ〉によって全て蒸発してしまう。


「おそらくAランク以上ですねぇ。ブラル様は手を貸して下さらないのですか?」


 ブラルに問いかける。その返答は


「勿論…いいえです。」

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