第7話 手合わせ

 開けた丘に二つの影が映る。


「じゃあ、早速始めるか。」


「寸止めで頼みますよ?」


「お互いな?」


 空気が一瞬で変わる、二人の強者によって。



「そういえば名乗って無かったな、俺は【爆弾魔 パーツ・デザリエル】」


「僕は【世界の操縦士 ブラル】」





 二人のやり取りを皮切りに"手合わせ"が始まった。





「〈強弱調整:速,硬〉」ブラルは自身のスキル『強弱調整』を使う。


 ブラルの動く速さときも


「〈爆炎:庭炎化〉」パーツは自身のスキル『爆炎』を使う。


 パーツを中心に炎の庭園が広がる。


「この広範囲の炎は攻撃にも距離を取るときにも使えるぜ!」パーツが言う。


「ならこれはどうですか〈強弱調整:熱,光〉」


 すると、炎から発生する放射熱がたちまち消えてしまい、さらにブラルの体温は一定になり炎の中を悠然と立てるようになった。


「まだまだ対策はありますよ!〈強弱調整:気圧〉」


 周囲の酸素の供給が少なくなり、たちまち炎が消える


「Sランク相手にやるなぁ、流石だ!少し本気出されてもらうぜ!〈爆炎:白炎武装〉〈爆炎:コロナ〉」


「…普通の生き物は気圧が低すぎでまともに生きられないですよ。はぁ。強過ぎなんですよ!〈強弱調整:勘,思考,反射〉」


 寸止め死の手前までというルールのある手合わせはさらに激しさを増す。

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