フルマラソンでサブスリーを目指す臨場感あふれる緊迫した作品です。肉体の限界への挑戦といえばスポーツがその最たるものでしょう。限界へ挑戦し、限界を突破しても何の得にもなりませんが、それ以上の世界が広がっているのです。また、勝負できる人というのは、たとえば突き1ポイント蹴り2ポイントの10ポイント先取で勝敗が決まるフルコンタクトの空手ならば、「蹴りを5回当てれば勝ち」と考えられる人のことをいいます。この作品の主人公も、同じだと思います。肉体の限界に挑戦することの醍醐味を余すことなく書き切った秀作です。
作中で主人公が走っている速力は多くの陸上競技よりも、さらには主人公の本来のコンディションでの速力よりも遅い。しかし「レース小説のスピード感は数字じゃない」がこれほど明確な作品は珍しい。それがどのように明確でまた「数字としては速くないが疾走感にあふれている」のかは、ネタバレ防止のために伏せておきます。諸姉諸兄には是非とも一読をお勧めします。評者としても実に勉強になりました。
主人公の熱意、決意そういったものがビシバシ伝わってくる熱い文章でした。感動したい方におススメです。これまでスポーツものにはあまり興味がなかったのですが、惹き込まれました。読んで損はないと思います。
わずか三分間に、ここまで濃密な想いを込めることが出来るとは!そんな驚きと感動を持って読みました。こんなに崇高ではないですが、私も、とあるゲームが上手くなりたくて、練習しまくった時期があるので、目標が見えた時の高揚に、すごく共感しました。ラストもとても素敵です。ぜひ、ご一読を!
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