世界の秩序をかえるもの

如月覚は赤字経営のために自分が起業した会社を大手に譲渡する。彼は社長でありながら強いリーダーシップもなく、人望もなかった。そんな性格が災いし、会社は経営に行き詰まり、優柔不断で決断も出来ず、妻とも別れていた。
そんな彼に別れた妻から依頼が来た。彼女は北海道大学の准教授で柴美月といい、現在は英国で研究生活をしており、あるものを北大の円谷教授まで届けてくれと言う内容だった。それを如月のマンションに届けたのは娘のみゆきだった。妻の美月とは学会終了後、北大で落ち合うこととなっていた。
そしてその夜、事件が起きる。柴美月が転落事故死してしまうのだ。警視庁の保科警部はこの転落事故に事件性があると疑念を示す。転落事故の前に通話履歴が残っていた。その履歴は別れた夫の如月だった。警察は如月を疑う。
如月は娘の…続きを読む