男が苦手で両親が亡くなってからは疎遠になっていた祖父の臨終に立ち会います。最期に必ず煙草を、という願いをたまたま思い出した彼は祖父の願いを叶え、そして知ります。祖父が熱心で眼差しで彼が思っていた以上に家族の様々な場面を見つめていたこと、そして、祖父がどんな生い立ちで生きてきたのか、どんな想いで生きてきたのか、なぜ一緒に住もうとはせず愛着もなさそうな場所に居続けたのか、その全てを。「お前に、全てを遣る」と口癖で言っていた通りに、深くて暗い想いまで、全てを。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(93文字)
淡々とした語り口で展開される物語の結末で、読者は人が心に抱く闇を垣間見る。それは主人公にだけ、起こりえることなのだろうか。この物語が、何故ホラーとカテゴライズされているのか、読者は最後に知ることになるだろう。
描写などが良く、物語の世界に入り込みました。素晴らしかったです。残されたモノの結末を是非、読んで確かめてください。
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