マシュマロよりも甘くて切ない恋

　一ノ瀬まどかと付き合う事になって迎えた夏休み。四方山立は初めてできた彼女の存在に浮かれていた。昔から夏休みに浮かれる陽キャを見るのが嫌いだった彼だが、今年からは違う。一ノ瀬まどかとたくさんの思い出を作ろうと画策する立だったが、ラブコメの主人公が平凡な恋愛などできるはずもなく、波乱が訪れる。

　それは夏休みの訪れと共に来た。

「りつー！　今日から一緒に暮らすの、楽しみだね！」

「………まじで来たの？」

　幼馴染の小海宵歌が、なぜか一人で立のもとを訪れたのだ。

「だって、お父さんが見張ってろって言うんだもん」

「……………」

　聞けば夏休みが明けたら転校してくるのだそうだ。

　せっかく都会に引っ越してきたから色々な所を見て回りたいと言い出す宵歌。立はなんとかして田舎に追い返そう…続きを読む