邪気を祓うのは無邪気と塩!? 「見える」異能で死者を苦しみから解放せよ

ある事件をきっかけに死者が見えるようになった真矢は、同じ事件を共に経験したカイリに誘われ、呪詛犯罪対策班の一員となる。死者に「自分は自殺ではなくて殺された」と訴えられても何も出来ないことを、真矢は辛く思っていた。呪対班になったことで、彼女はそれに応えられるのか?

冒頭を読んで、少し難しい話かな?と思ったのですが、そんなことはありませんでした。ライトな読み心地で、スルスルと読み進めることが出来ました。
キャラたちひとりひとりの個性が強くて、その掛け合いが楽しいです。
加えて、呪対班の事務所や幽霊に塩を振ったりファブったりの描写もコミカルで、雰囲気を明るくしてくれます。
呪いや死というと重く暗いイメージで、実際そういう描写もあるのですが、それを遠ざけちゃう賑やかなノリのある作品だと思います。
死者の望みを尊重する、真矢の優しさもあたたかいです。

真矢とカイリの経験した事件は、作者様の別作品「公衆伝播の太郎くん」で描かれています。そのため、こちらの作品の序盤では、太郎君事件の顛末について軽く触れられます。
私は太郎くんを読了しているので、再登場キャラに喜びつつ、真矢の記憶の違和感にも「真矢ちゃーん!」と思いつつ読んでおります。
太郎くんを未読の方には未読の方の、既読の方には既読の方の楽しみ方があるのではないかと思います。

物語はまだまだこれからだと思います。
応援しております!

※第二章18までを読んでのレビューです。

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