美しく歪んだ未来の悪夢

十三不塔さんの作品を初めて拝読しました。
カクヨムでこんな本格的なSF小説を読めるとは、うれしい驚きです。

人間の二大欲望、眠ることと食べることがテクノロジーによって歪んだ未来像に結実し、不思議な美しさと切なさを感じさせてくれる作品です。
極小ドローンとのコミュニケーションが面白い。
むかし「燃える昆虫軍団」というパニック映画で、知能を持ったゴキブリが並んで文字を形作るシーンがあったのを思い出しました。

もしかしたら、この極小ドローンたちが移眠した人間たちの行った先だったのでは?と思ったりしました。
だから、最後は主人公もドローンになったのでは…と。

暗い美しさのある、悪夢にも似た好編です。

その他のおすすめレビュー

沙月Qさんの他のおすすめレビュー11