読み終えてからもう一度冒頭部分を読み返すと、震えがきます。

初読は流し読み。けれど主人公のぼくを通して描かれる世界、考え、そして小さくて沢山の友(サルーと名付ける)との交流にじぃいんとしてしまう。
人類が食糧難のために、あっさりと自らの肉体を捨ててしまうという世界観がすごい。その行為を移民ならぬ「移眠」として紡がれる、ぼくの正体もまた――。
文章を呼吸するように読めるというのはこういうことでしょうか。1ページ9千字という長さも感じさせないほど、楽しませていただきました。
映像化でも見てみたい作品です。

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