吸血姫愛好会板──ギルド設立の裏

 とある掲示板にて


『まさか、本当にあんな騒動が起こるとは思わなかったわ。あの中に、ここのメンバーはいないよな?』

『それこそ、まさかだろ。会則を音速で破壊するようなものだぞ』

『さすがにないわ』

『それなら安心した。でも、結構すぐに集まったよな。暇なのか?』

『攻略の途中で切り上げて行ったわ。それくらいしないといけない状況だと思ったからな』

『本当にな。昨日の事もあったから、すぐに向かった』

『昨日は掲示板も熱かったからな。マジで、俺達以外にも火消しがいたように思えたけど、間違いじゃないよな』

『多分、勧誘したって言うギルドのメンバーだよな』

『そうだろう。あの現場でも収めたのは、そいつらだったはず』

『まぁ、自分達でやった訳だから、当たり前だろ』

『どこのギルドだったんだ?』

『「ドラゴンブリゲート」と「破壊者クラッシャー」と「ノーブルガーデン」と「マジカルウィッチ」と「ハルモニア」と「メタリカル」だったはず』

『結構有名ギルドだな』

『良い方面でな。強者を求めていたのは知っているけど、今回は悪手だったな』

『てか、吸血姫が、自分でギルドを作ったのが意外だったわ』

『俺も。一匹狼でいるのが好きだと思ってた』

『それか姉のギルドに入るかとも思ってたわ』

『てか、あんなに必死にギルドに入ろうとしていた奴等の目的ってなんだ?』

『直結』

『美少女が結成したギルドだしな』

『自分達で作れば良いのにな』

『自分で作ると、美少女を勧誘出来ないからだろ』

『ああ……なるほど……』

『そもそもの話、ボスモンスターってテイム出来るのか?』

『出来るから竜と一緒にいたんだろ?』

『条件付きだろうな』

『【吸血】ありきの条件ではないはず。さすがに、狭すぎるし』

『そうなると、装備とかになるのか』

『竜に関する装備って説に一票』

『あの竜が、対人戦で使えるとしたら、ヤバいよな』

『次のバトルロイヤルイベントで出て来たら、絶対に倒せないと思うわ』

『それこそ、前回みたいに、集団で挑むしかないだろうな』

『本当に共闘しないと倒せない相手か』

『ラスボスみたいなものだろ』

『俺には倒せないな』

『俺も攻撃出来ないと思うわ』

『心情云々じゃなくて、そもそも敵わない相手だろ』

『スキルによる恩恵もあるけど、絶対プレイヤースキルが高いしな』

『スキルゲーはスキルゲーでも、プレイヤースキルゲーだよな』

『それは思う』

『技に頼るよりも、普通に戦った方が強いまであるしな』

『ところで、吸血姫と一緒にギルド作った美少女って、アカリエの子だよな』

『そうだな。友人同士なんじゃね?』

『だろうな。防具もアカリエで作っているみたいだし』

『最初の迷惑プレイヤーもアカリエで騒いだって話だからな』

『アカリエは、良い防具を売っている良い店なのにな』

『最近じゃネタ装備も売っているくらいだしな』

『初耳』

『猫耳とか売ってるぞ』

『マジで、生産系スキルの自由度が上がり過ぎてヤバい』

『まぁ、R18に引っかかりそうなものは作れないけどな』

『際どい下着は!?』

『無理』

『くそっ!!』

『吸血姫は、俺の店には来てくれないか』

『ないだろうな。アカリエで済むし』

『他の掲示板で吸血姫の情報を求めるような書き込み見つけたから、通報しといた』

『ナイス!』

『まだ燻ってる感じか。出来る限り、火消しを試みてみるわ』


 ハクを陰ながらに支える愛好会達の奮闘は続く。

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