概要
「え、どうして……先輩が?」「それはこっちのセリフ」
俺の名前は藻岩哉。
朝八時の電車に乗り、夜十時の電車に乗って帰る毎日を戦っているどこにでもいる会社員。
普段の業務ではホワイト企業と言われているのだが、この時期では徹夜もあり、日々の疲れはドシドシと溜まっていく。
「あぁ、疲れがたまる。家事もしたくねぇ」
口癖のように呟く言葉。
「いっそのこと、家政婦でも雇おうかな」
ふとそんなことを同僚との会話で思いつき、思い切って予約してみると週末にくるとのこと。
あっというまに金曜日が来て、土曜日の朝。インターホンが鳴り、玄関を開ける。
すると、一人の女性が入ってくる。
「この度家政婦サービスをご利用いただき誠にありがとうございます。私は家政婦の栗花落ことりで……え」
「……ん?」
そこにいたのは亜栗色のパーマがかっ