骸骨というもの
私は骸骨を持つことになった。骸骨は私を頼っている。あなたの中にも、いるでしょう、と問いかけられた。確かに、いるだろう。だが私はまだ、私の骸骨に出会っていない。私の骸骨に出会えるのは、私以外の人々だ。つまり君は私ではない。誰かであった誰かである骸骨。優しい骸骨。
骸骨! 君はなぜ! 私を頼ったんだ! 裏切れるわけがない中に入り込んでくるそこに心臓も脳もないのはおかしい。幸せであれ。しか。思えない。が。骸骨の幸せってなんだ。知らないのに約束してしまうような軽薄さは元々だ。骨の内側にある私の、軽薄、さ。
人ではないよ。もう。だから友ではないよ。家族ではないよ。もの。ものだよ。そして私の中にもそう、ものとしての、私ではあるところの、骨。骨はどう思う、骸骨を。脳も心臓も失い、私に頼る骸骨を。表と裏なのか。傷と傷なのか。鍵と穴なのか。
私は骸骨を持つことになった。悲しいときに悲しいと言う。骸骨は揺れる。骸骨はそうやって残る。心をつかんで。私はつかまれて。命が終わると、骨はこの世に生まれて、骸骨になって、誰かを求めて、こうしてしまうのだろうか。未来を叩きつけるものよ、静かに。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます