ムーンロッカー

海に流してしまった思い出を探しに

砂浜にやってきたら

幼い日の私が

水面を眺めていた

隣に立ってみると

揺れる月が見えた

幼い日の私は胸をえぐって

汚された思いを投げつけていた

月は全てを受け止めて

ずっと揺れていた


そうだ私はあの頃

全てを投げつけていたのだ

海は永遠に広がっていて

月は永遠に優しいのだと思って

空を見上げるのが怖くて

ずっと海を頼っていたのだ


今ならば見上げる勇気ぐらいはある

空、暗闇の中で

白すぎる月が私を見つめていた

光の粒が降り注ぎ

思い出が胸を埋めていく

私が捨てた私が

傷口となって私を切り開く

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