夏に散る

ポリタンクにたまっていく希望と憂鬱

納められた領域では水面は揺れない

全ての栓が空転している朝

花は太陽を迎えて開いていた


君の夏は平気か

手紙を書くでもなくて

過ごしてしまったことを

怒ってはいないか


最後に泣くとしても

いっぱい笑って

楽しい日々にしようと

誓っていたけれど


星座の違う空の下で

君は夜を見つめているだろう

いつか見た夕日の赤を

ちゃんと見抜けていたか


君の夏は平気か

風の吹かない日はないか

見えているものを信じているか

見えないものを覚えているか


ポリタンクに貯められなかった絶望と陽気

幾つもの水面の揺れを越えて

正しい順番で栓は閉められていく

花はまた淡々と散っていくのだ

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