愛と友情、戦争の現実

かつてのアメリカを舞台にした愛と友情の物語。最初は主人公たち3人の人間模様を楽しげに展開していく物語だと思っていました。
しかし、中盤のベトナム戦争の話から物語が一変、愛と死と、生々しい戦争の現実を突きつけられます。まるで作者がその目で見てきたかのようなリアリティがあり、何度も目をみはり、心が抉られる想いがしました。それくらい、主人公も友人も戦争で壊れて、愛を失わないように生きていく心の揺れ動きが上手に表現されていました。

また、全体的にも、アメリカという外国の地で、異国の文化や人物たちの、海外文学らしい会話に引き込まれます。

作者の魂が込められた傑作だと感じました。
おすすめです。

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