人の想いはバトンリレーのように受け継がれていく

 家族を作って命を繋げたことは、亡くなった仲間たちの想いも繋げたということでしょうか。
 そして、その家族につけた涼子という名前の由来を更に知りたくなりました。

 最後の命令に従わなかったという部分も多様な解釈ができて楽しめました。

 命令に従えばまだ何とか生きながらえたかもしれない。そして、それが小隊長の望みでした。
 しかし、例え戦争で人を殺めたとしても、まだ失ってはいけない人たらしめるものが心に残っている。
 それを失うくらいなら、人として死んでしまおうと思って命令に従わなかったのか。
 けれど、人は誰しも誰かに助けられて生きている。程度は違えど、きっと助けた人たちは、助けた人たちに自分の行いを繋いで欲しいと思っているのかも。

 そういう意味では物理的でなくとも、勝男は小隊長を日本に連れて帰れましたね。

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