濃い闇の奥で、しゃなりと咲くは沈丁花

明治時代、文士、あやかし。
そのキーワードに期待してページを開いた者を決して裏切らない、濃淡の際立つ、あでやかな物語。

独特の語り口を持つ作家様の筆致が、時代を感じる情景と、キャラクターたちの台詞にこれでもかとマリアージュしております。
文士の遊楽先生は、文句なく完璧に素敵ですし、キャッチコピーで「あたしの男に、手ぇ、出すんじゃねぇ」と啖呵を切っているあやかしさんは、しなやかで危うくて強い。

他にも魅力的なキャラクターが目白押しな中で、ヒロインの瑞香さんが、ひたすら戸惑いながらも、前を向こうとする姿が、個人的にものすごくキュンなのです。

また、こちらの作品はコメント欄で、有志による二次創作を楽しむこともできるという豪華特別仕様となっておりますので、ぜひ。

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