忘却、それは死よりも辛い定め

この作品で語られることは生と死。
人が生きるという事は無為の日々の積み重ねではなく、大切な人との思い出を紡いでいく行為。死とはまた完全なる消失ではなく、残された誰かの胸に思い出があり続ける限り、この世に存在を留められるもの。たとえ故人であろうと。
作者さんはそう語っています。

そして、最も恐ろしい事とは。
生きながらにして忘れ去られ、存在を消失すること。
人間関係が希薄になった昨今、それは何もオカルトに限らず起こり得ることなのです。単なる都市伝説と笑い飛ばせないある種の凄みがその辺に含まれていると感じました。

サイレントヒルや夜廻りのようなチェイスや心の闇を含んだホラーゲームが好きであるならば、是非。本当に怖いのは奇声を発しながら追いかけてくる化け物ではないのです。いつだって…そう。

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