菌の研究をする元聖女の、異世界ファンタジー

人間と魔族が共存する町で、雑貨店を営んでいる、元聖女のモルゲン。
そんな彼女の正体は、実は微生物学者。菌を使ってパンを発酵させたり、納豆を作ったりしているのですが、この世界は菌というものに馴染みがないのですよ。

得体の知れない菌なんかで発酵させたパンは食べたく無いという人もいて、みんな偏見が過ぎる。
そして偏見は菌に対するものだけではなく、種族の違いや魔法が使えるか否か等、多くの事に存在して差別が生まれる。
そんな差別や偏見とどう向き合っていくかが、このお話のもう一つのテーマだと思っています。

菌の研究をして、仲間と仲良く語る時のモルゲンはコミカルで読んでて面白いですけど、たまに見せるシリアスな雰囲気とのギャップがすごい。
無意識のうちに抱いてしまう偏見や差別心がいかに厄介かを、読んでいて考えさせられました。

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