古の神々よ、今は安らかに眠れ。

 日本の記紀神話とSFの見事なまでの融合。
 天照大神が岩度に隠れて、この世界は空の色を失い、荒廃の一途をたどっていた。
 村に起こった混乱の中、母から勾玉と笛を遺された主人公の少年は、荒廃した世界の地図を作るために、騾馬と共に旅をしていた。そんな中、ある村の御神木の下で舞う巫女と出会う。少女は巫と呼ばれ、村々を回って結界を修復するために旅をしていた。そんな巫の少女は、主人公と共に、他の勾玉を探すことに。
 しかし途中で、土地の神に祈らずとも良いとする巫が現れる。しかし、その巫の正体は意外なものだった。そして、旅の末にたどり着いた場所は、巫の少女が主人公に見せたくない場所だった。

 巫たちが契約する神々と勾玉は何のために存在するのか。
 村を襲う鬼の正体とは?
 子を持たないはずの巫から生まれた主人公の秘密とは?

 過酷なまでの巫たちの運命と意志。
 そして神々と巫たちの関係性に胸を打たれる一作。

 これは、勾玉色の空を取り戻すまでの物語。

 是非、御一読下さい。

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